2018年5月8日

ラフプレー以下

ここ数日、アメフトクラスタをざわつかせている関学vs日大戦で発生した、日大DL選手のラフプレー。プレーは3回あり、1) ランパス後に投げ終わったQBに対しての背後からのタックル、2) アフターフェイクをしているQBへのタックル、3) プレー後にOLとのいざこざ。何れのプレーもパーソナルファウルを取られ、3回めのプレーでこの選手は資格没収(退場)。しかし、サイドラインに下がるこの選手に対して日大ベンチからそのプレーを諫める様子が無く、又翌日の新聞記事での日大ヘッドコーチのインタビューでも、そのラフプレーを認めているかのような内容が掲載されて、さらに物議を醸しているわけですが...

幾つか、それらプレーの動画が上がってきていて、それを見ての個人的感想ですが...

  1. ランパス後の背後からのタックル
    これが一番悪質だと感じるんですが、1Q関学最初の攻撃シリーズの最初のプレーで発生しているので、このプレーだけで審判としては判断することは難しかったんじゃ無いかという気はしています。でも、プレー自体は凄く悪質だと思うのは、
    1. 当該DLは左サイド(プレーサイドとは反対側)にシフトしていた
    2. QBはハンドオフフェイクを入れて、右サイドにロールアウトしながらややスローバック気味にパスを投げた
    3. 当該DLはOLにチェック後、ロールアウトするQBをほぼ真横から追う形で距離を詰めていた
    4. QBは投げ終わった後、ゆっくり後ろに下がりながらプレーの結果を見ていた
    5. そんな無防備な状態のQBに対して、真後ろからフルコンタクトのタックルをした
  2. アフターフェイク時のタックル
    1. QBは左へのハンドオフ後、右サイドにアフターフェイクをしながら下がる
    2. 右DEだった当該DLは、ノーチェックで真っ直ぐQBに突進している
    3. 映像を見ると、タックルのかなり手前から頭が下がっていて、メットで当たりに行っているように見える
    4. ただ、タックル自体はQB正面からのものであり、フェイクと気が付かずにタックルした様にも見える
    5. それでも審判が15ヤードのパーソナルファウルを宣言しているので、やはり「タックル」以外の行為があったと思われる
  3. OLとのプレー後のいざこざ
    1. 反則が発生した一つ前のランプレー、この当該DL(右DE)とその正面のOL(RT)がちょっとやり合っているんですよね(反則は無し)
    2. で、反則が発生する次のプレー、関学はアップバック(UB)をQB右横に置きます。
    3. プレーは、右フェイクの左へのプレーアクションパス
    4. 前のプレーで一寸やり合ったDLとOLは、OL(RT)がDLを軽くいなしてダウンフィールドに出るんですが、直後にUBがDLに当たり、それでDLは後元がふらついてフィールドに倒れます
    5. この時にDLが何か言ったのかUBが振り向くと、そこにDLが突進してきて乱闘開始
と、自分で映像を見た限りではこんな感じ。で、2番目の反則の直後、当該DLはハドル中にサイドラインに呼ばれて、何か言われて直ぐにハドルに戻るんですね。まぁ、印象としては「熱くなるな」とでも言われたような感じ。でも、その直後のプレーで対面のOLと一寸やり合い、さらに次のプレーでは軽くいなされて足下がふらついて倒れたのが頭に血が上ったのかもしれない。ただ、この3番目のプレーはなんと言うことの無いパワープレーのプレーアクションパスな訳で、RT/UBが綺麗に1-2でDLを取っているわけで、そう言う意味ではDLが勝手に一人芝居している感じ。

仮に、1番目と2番目のプレー(反則)が逆に発生していたら、多分二回目の反則で当該選手は資格没収されていたと思う。1番目のプレーは、途中までは確かにパスラッシュなんだけど、真横から追いかけているDLは、投げ終わったQBが後ろに下がるのに合わせて走路を右にカーブしてレイトヒットしているんですよね。だから、このプレーは意図的としか言いようが無いんだけれど、審判の見る位置に寄ってはラッシュして投げ終わってから不要なタックルをした、というプレーにも見えなくも無いと思う。横から見ると悪質なプレーだけれど、縦位置から見るとレイトヒット、と言うようにも見えなくも無い気がします。それと、1番目のプレーは1Qの関学最初のプレーなわけで、そう言う意味でもアドバンテージ的な事を審判は考えたのかもしれない。いずれにしても、自分達は後から映像を見て、しかも最初から「ラフプレー」という意識があるから感じ方も違うと思いますが、試合のシチュエーションや現場での審判の視界等を見ると、審判の不作為とは言えない気がしますね。

確か、春の試合の映像などを使用して、秋のリーグ戦前に審判研修みたいな事をやるはずなんですが、この試合は是非その素材の一つに入れて、判断の適切性を再考察して欲しい。そして、可能であれば、何故そう言う判断になったのか公にして貰えれば、ざわつくクラスタも前向きに理解出来るんじゃ無いだろうか。最も、最初の反則でQBの受けた影響が深刻にならなくて良かった事が不幸中の幸い。これでQBが怪我をしてシーズンを棒に振るようなことになっていたら、とてもこんなことは行ってられないと思うけれど。この一回目の反則のプレーに関しては、個人的にも「悪意」を感じるレベルのプレーだと思う。

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