2017年12月17日

情報のスーパーマンはいない

暫く前に「日本は凄い、日本は素晴らしい」という日本礼讃番組に対しての批判が出たけれど、この池上彰氏の番組に対しての批判も、結構聴きますね。池上氏は、確かNHKの「こどもニュース」での分かりやすい解説が評判になって、その後民放での解説番組とか選挙特番などで歯に衣着せぬ質問などから「池上無双」とまで言われるように。私も、最初の頃は「へぇ~」みたいな感じで見ることもあったけれど、何かの時に一応自分が専門の話で、結構いい加減な説明をしているのを見てから信じられなくなりました(笑)。多分、ご自分の専門分野ではちゃんとしたご説明をされているんだろうけど、それ以外の話となると結構怪しいのかも。あるいは、用語の解説説明のような表面的なところは良いんだけれど、そこから掘り下げるときには経験や知識の差で、不確かなことを言及してしまうのかも。

池上氏もビジネスとしてやっているのだろうから、それはある程度その番組とかメディアの意向に沿った話にも「味付け」しないといけないこともあるだろうし、そこは大人の事情もあるだろうけど、ここまで酷いとちょっとなぁ...

池上氏に限らず、最近では情報バラエティーみたいなプログラムが増えていて、一寸有名になった人とかタレントさんなんかがひな壇に並んで、MCに振られるままに最もらしいことを話す形式がフォーマットかされているけれど、ああいう形式が出来てきたのは何時の頃からだろうか。昔も、お昼前後にワイドショーと呼ばれていた番組が多く放送されていたけれど、あそこで取り上げられていたのは殆どが芸能情報で、政治問題とか経済問題というものは取り上げられることはほとんど無かったように記憶しています。勿論、その時間帯を視聴しているだろう主婦層(F層)にも政治問題とか経済問題に興味を持っている人も多いだろうけど、でもそれで視聴率が取れるかというと疑問。何時の頃から化分からないけれど、そういう本来は数字や事実関係をちゃんと明確に説明をしていくような種類の情報までバラエティー化、芸能化する事で、別の新しいエンターテイメントみたいな感じのフォーマットを作り出したことが大きい気がしますね。問題なのは、それって政治や経済の難しい話を分かりやすく説明するために新しいフォーマットを考えたのでは無く、政治や経済をネタにしたエンタメを作り出しただけだったような気がしますね。

例えば、一応大学で勉強して幸か不幸か実務も経験している東国原氏が政治とか経済の話をするのは、まだ分かる。その内容に賛成するか反対するかはあるけれど、一応知識と経験に基づいた話だから。でも、そんなことを日々考えることは無いだろうと思われるタレントさんとか芸能人に一言貰って、それが恰も最もらしい素晴らしい観たいなと利上げ方をして、その番組の方向性を決めていくのは止めて欲しい。それって、筋書きのあるバラエティーなわけで、ある意味CS等で人気の政治ドラマの方が、まだ参考になるんじゃ無いだろうか。池上氏も、昔はちゃんと自分で取材をして、それなりに裏付けのある説明をしていたんだろうけど、段々と忙しくなると与えられた台本に多少自分の意見を追加するだけのような仕事の進め方をするようになったんだろうか。逆に、彼がちゃんと自分で調査して、それでこの程度の無いようになったとしたら、それはそれで池上氏自身の限界なんだろうなと思うわけです。大きなお世話かもしれないけれど。「マルチ」というのは、使い方によっては便利だけれど、「プロフェッショナル」にはその専門分野に関しては叶わないと思うから。彼も、もう少し仕事を選択して、自分の価値を高めるような方向に修正したら良いのに。

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