2017年7月21日

Pepperとスマートスピーカー

Softbank傘下のPepper事業が、300億円以上の赤字というニュースが先日流れたばかりですが、そのPepperの企業導入に関しての記事。この記事を読んで改めて思ったのは、Pepperというのは結局は早すぎたスマートスピーカーだったのかなと言う事。

Pepperが初めて紹介された時に「あぁ、日本では駄目だろうな」と思ったのが、その移動性能。確かフランスの会社が原型を作っていたと思うけれど、フラットな床を移動することを前提にした駆動機構は、幾ら最近の住宅でフローリングや平らな床が増えてきていても厳しいだろうなと先ず思いました。次に感じたのが、手や顔を動かしたりして「雰囲気」は作れるけれど、取って付けたように胸についたタブレットがI/Fの中心になること。勿論音声認識や発声機能も内蔵されているから、対話型のI/Fも可能何だけれど、あの胸のタブレットが「ロボット」としてのデザインを全て壊している気がしたものです。せめて内蔵するとか、蓋がついていて、隠すことも出来るようにするとか。あれがあるから、少ないけれど手振りや顔の移動で作られる、ジェスチャーコミュニケーションが薄れてしまって、結果的にはロボットの形をした音声対話型I/Fと認識されてしまうことの方が多い気がします。だから、受付業務とか案内みたいな仕事に向くんだろうけど。

で、それって、最近各社から登場している「スマートスピーカー」とほぼ同じ話になると思うんですよね。Pepperみたいなフローリングの上を移動したりすることは無いけれど、元々はリビングなどに置いてあちこちから呼び出して使用することを想定しているから、対話が出来れば別に身近に無くても良い。かえってPepperみたいなでかいものが部屋の中をウロウロされるよりは、文字通り「スマート」じゃないかと。それならば、KIROBOみたいな小型のロボットデザインにした方が、愛着も沸くんじゃ無いかと思うんですけどね。あるいは、それこそAIBOに今のPepperとかスマートスピーカ程度の機能やAIを搭載したら、もっと面白くなるんじゃ無いかと。別に本体に全てを内蔵しなくても、充電器をマスターステーションにして、そこにDBを置いて知識を蓄積し、本体には必要最低限のデータを転送しつつ動作してもいいわけだから。

将来的には、飼い犬の散歩みたいな感じで、室内から室外へ連れ出すタイプのロボットも生まれるんだろうけど、基本今のロボットは、室内モデルは室内で、屋外モデルは屋外での利用を想定しているから、その範囲で以下に機能や動作を最適出来るか考えればいい。その中で、ロボットが何か動作して解除してくれることを期待すると、これは結構敷居が高い。最近では関節機能とか進んでいて、柔らかいものを持ち上げたり、それなりに荷重のあるものを持ち上げるなど、火なり機能的には向上しているけれど、それでも自宅の中で何か解除して貰うには不足。多分自分が生きている間には、アトムみたいなものは無理だと思うけれど、だからロボットは駄目と言う全否定では無くて、今でもスマートスピーカーがさらに賢くなれば、もっと便利なことは可能だと思うんですね。例えばリモコンが見つからない時、理想はそれを取りに行って渡してくれることだけれど、常にモニターしていて「xxxにあります」と教えてくれるだけでもいい。まぁ、リモコンだったら、スマートスピーカーが代わりに機能代替して操作してくれるだろうけど。ロボットというとどうして日本人だとアトムタイプのものを想像するけれど、実は目には見えないけれど存在する「仮想的ロボット」みたいなものが実は一番実用的かも。まぁ、それとAIがどう違うのか、という事はあるけれど。多分、どちらも併走しつつ関連しつつ収斂していく気がする。

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