2017年6月16日

モールの未来

最近米国へ旅行に行って一番感じることの一つが、この「モールの衰退」という事。30年前に初めてアメリカ出張をして、初めて「モール(Mall)」を経験した時には、こんな大規模なショッピング施設は日本には出来ないだろうなぁと感じたものですが、日本でもどんどん誕生している。自宅近くにも、県下で最大規模のイオンモールが有り、自分もよく利用しています。ただ、競争も厳しいのはよく分かるわけで、最近の米国でのモールの現状を見ていると「あと10年位で日本もこうなるのか」と最近は感じることが多くなりましたよね。

で、ここ最近その自宅近くのモールに行って感じることの一つが、高齢者の憩いの場になっていること。自宅周辺は、元々の農家が点在しているような場所で、昔から住んでいる人が多い場所。最近では、昔の田畑を宅地にしてアパートや建売住宅などが増えて人口も増えているので、必ずしも居住年齢は高いわけでは無いけれど、それでもうちも含めて高齢者が多いことは確か。で、多分そういう人達が集まってきているんですよね。一番の理由は「居心地が良いから」でしょうね。室内だから、温度は安定しているし、雨風からも守られる。回数が多くなるかもしれないトイレも完備しているし、モール内のあちこちに無料で座れる椅子やソファーも点在しているから、歩き疲れたら幾らでも休憩できる。勿論、食堂やフードコートももあるから食事だって出来る。ほんと、一日居ても飽きないし良い運動にもなる。そんな様子を見て、個々に介護施設とか併設したら、と以前思ったものです。

これまでだって、例えばビルをリニューアルして、例えばホテルをオフィスにしたりその逆があったり、後は廃校になった学校をベンチャー用の貸しオフィスにしたりと、似たような再生事業の例はありました。で、この記事を読んで思ったのは、モールは大体は規模が大きいから、その中に小売り以外の色々な施設を誘致したら、それ自体が一つのドームシティあるいはSF世界ではよく登場するコロニーみたいな存在になるんじゃ無いかという事。モールでは無いけれど、会社のある横浜の近くにあるクイーンズスクエアクイーンズモールなどは、回りに高層ビルが幾つもあって、それらほとんどはオフィスビルだし、後はホテルや国際会議場とかと繋がっているわけで、そういう意味では観光客とビジネスパーソンが全く関連は無いのだけれど空間を共用しているという、不思議な関係が成立しています。そういう感じに、モールという巨大建造物と移動手段としての車の駐車場をもった「スペース」が今後のコミュニティ形成の核になるのかも。

ただ、モールと言う構造物を考えると、巨大故に一般的なビル等と比べて一寸頼りなさみたいな印象も受けます。大規模施設だから、耐震性などの強度はちゃんとあるだろうけど、例えば空調とか照明とか、改善は必要でしょうね。あと、道の駅なんかの施設も、それを核テナントにして周辺の公器用施設などを繋ぐようなロジスティックスが出来れば、似たような施設として過疎対策を兼ねながら再利用が可能となるかも。例えばリモートオフィスみたいなものとか。単に大きな空間と言うだけで無く、低層階の広い空間があるというのがモールの特徴だから、その中心に「人が集まる」という前提のデザインをすると、有効かつ有益な設備になりそうですね。自宅近くの大規模なモールも、後20年後くらいには自分がオセになれるような環境施設になっていて欲しい(笑)。

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