2017年5月23日

謎のAI半導体メーカー

昨日ちょっとした騒ぎ(笑)になった、Nikkei Businessに掲載された記事「詳報:トヨタが頼った謎のAI半導体メーカー」。なんだなんだと思ったら「nVidia」の事だったという事で、ちょっと膝かっくん。私の世代なんかだと「nVidia」という書き方が一番馴染みがあるんだけど、最近は全て大文字の「NVIDIA」が正式なロゴになっているんですね。一寸隔世の感。自分の世代だと、「NVIDIA=高速高機能グラフィックボードメーカー」というイメージが一番するんですが、最近ではGPU技術を利用して様々な分野に浸透し、その一つがこのAIによる自動運転技術分野という事らしい。実際、NVIDIAは次の自動運転技術のスタンダードにもなりそうだし。

パソコンなんかも含めた半導体業界に関わっている人間にすれば、NVIDIAというメーカーの存在は大きく、IntelとかMicrosoftに次いで、AMDとNVIDIAは無くてはならないメーカーの一つ。それを「謎のAI半導体メーカー」という言い方をするのかどうかと。まぁ、どうしてもGPUメーカーという認識が強いので「AI半導体」という言い方をすると、ちょっと奇異な感じを受けるかもしれないけれど「謎の」というのは言い過ぎのような。まぁ、穿った見方をすれば、このライターさんあるいは編集の意図的な煽り的タイトル付けなのかもしれないけれど、実際こちらの広報からの回答を見ると、ライターの方もちゃんと理解している人らしいし、煽りとは言わないけれど私なんかのようにこれまでの「GPUメーカー」という認識の人から見たらちょっと意外な感じのする「自動運転AI」という違和感みたいなものを、少し誇張してタイトル付けしたのかもしれない。あるいは編集部が付けたのか。それなら、これだけバズれば十分目的を果たしたことになるわけで、ライター氏や編集部は「してやったり」とほくそ笑んでいるのかも(笑)。

「謎の」と言われると一寸あれだけど、世の中には世間一般には認知度は低いけれど、業界的には超有名企業と言う会社は幾らでもあります。シャープ買収で有名になったけれど、台湾の鴻海(Foxconn)なんてその最たるメーカーじゃ無いだろうか。日本でも、先日ヤマダ電気が発売発表をした有機ELテレビの開発元船井電機なんて「FUNAI」のブランドで日本以外での認知度は日本の名だたる家電メーカーよりも大きいくらいだし、同様にユニデンも日本での知名度はほとんど知られていないけれど、海外とか業界内では有名企業だったりするわけだし。

こちらには同じ特集の中でのNVIDIA CEOのインタビュー記事が掲載されていますが、ある程度の時代背景を共有している一人としては、なかなか興味深い内容。さらに、これらの記事はAI特集という事で企画されている記事のようで、それ以外の記事も面白そうです。暫く前は「Deep Learning」とか「Data Mining」という言葉がキーワードになっていましたが、最近では「AI」という言葉にそれらもひっくるめてまとめられてきたように感じます。ただ、その分「何が何をどの様にやるのか」という点がなんとなく曖昧になってきていて、良くも悪くもみんなで担ごうぜ見たいなノリだけで進んでいるような気もするけれど。で、結構そう言う状況の時にはち研究と開発してきたかくれキャラみたいなメーカーが突然一発当てて脚光を浴びたりするわけですが。自分の仕事でも、最近この手のキーワードが賑やかなわけで、何か一つでも二つでも一寸でっち上げないといけなくなってきて(をぃ)、ちょっと頭が痛いです。「謎の半導体メーカー」でなくてもいいから「謎のエンジニア」が近くにいて、助けてくれないだろうか(笑)。

0 件のコメント:

コメントを投稿