2017年4月27日

今村発言とメディア

今村前復興担当相の「東北で良かった」発言で、ご本人は同じパーティー会場に安倍総理がいて直ぐに発言を否定したりしたこともあって、即座に罷免。メディアは一斉に「東北で良かった発言」ということで、盛大なキャンペーンを張っており、野党も森友学園が失速している時に新たに燃料投下されてやる気満々。確かに、この時のビデオを見ると、ご本人はさらっと「人口が少ない東北ですら25兆円の復興費用がかかるから、都心部では予想も出来ない」みたいな話で、その被害の大きさの待避のつもりで言ったように見えますが、でも迂闊だったのも確か。せめて、東北ではこれだけ予算が必要だけれど、関東直撃だと予想も出来ない、位であればまだ将来の震災に対しての警鐘と言う事でそれなりに意味のある発言になったんですけど。

と言うか、その前に記者会見で揉めたのに、なんでそんな人にスピーチさせたんだろうか。派閥領主の二階氏が汚名返上の場として用意したのかもしれないけれど、そう言う場合って本人だって変に汚名返上しようと力んで失敗することの方が多いんじゃ無いだろうか。先日の記者会見での発言も、個人的には自称ジャーナリストの質問者にはめられたと思うけれど、でも大臣として我慢するのも仕事それが堪えられないのは、やはり議員以上大臣未満の資質と言う事。ただ、だからといってメディア側の人間が好き放題しても良いという時代でも無いことも事実。先般の記者会見にしても、今回のパーティでの内容にしても、色々なメディアが報じている情報とは別に、ほぼそのままの生データとして色々な場所に映像や内容が掲載されているから、我々は本当場どう言う状態でどう言う場面展開が有り、その中のどの部分がどの様に伝えられているのか比較検証出来る。それを、今のメディアは忘れている気がしますね。

今回の件も、映像を見る限り東北で会ったからこれくらいの予測だけれど、首都圏でもし発生したら、という流れの中での一言。後に二階氏が「マスコミは一部だけ切り出して」と一言言っているけれど、マスコミはそれも「圧力」という言い方をする。でも、それが台本通りだったのか、その場の流れの中で出てきた一言だったのか迄は分からないけれど、今村氏の発言の意図が決して東北が被災地になって良かったと言う意味では無いことは明らか。大臣としての立場で、その言葉を使ったことは大きなミスだと思うけれど、その意図はその言葉から感じるものとは異なることは確か。だから、マスコミがその一言を取り上げることは仕方ないと思うけれど、それが全てでは無いと言うことも伝えるべきでは。例えば、大臣は東北で良かったと言うけれど、確かに東北人の粘り強さでここまで復興した、とか、東北でもこれだけの復興予算が必要だけれど、その人口でも密集度でも何倍何十倍の首都圏では、もっと巨大な予算が必要になる、とか。今のように失言だけの報道なら、タブロイド週刊誌にでも任せればいいわけで、本来大手メディアなりファクトジャーナリストならば、復興の現実とか問題点とか、それこそ忘れられがちになっている今の時期にもう一度リマインドさせるというか、問題点を指摘することが役割じゃないだろうか。

「#東北で良かった」タグが、その後広がっているそうだけれど、そう言う負けない心って言うのが東北人の強さで有り、それは厳しい環境の中で培われたものだから、その心意気を見せることが一番重要なはず。で、メディアの一番の仕事も、問題発言を広げることじゃ無くて、それによってもう一度東北の現状をちゃんと伝えることじゃ無いだろうか。この発言を聞いて、不快な気持ちを持ちそれを表明する人も沢山いると思う。でも、それはわざわざ多くの時間を費やして画面で伝えなくても、誰でも分かっていること。良くも悪くも注目が集まった今だからこそ、本当に必要な事をメディア伝えないといけないのでは。今「フェイクニュース」という言葉が広まっているけれど、フェイクほどでは無いけれど凄く恣意的なニュース、言ってみれば「バイアスニュース」みたいなものが「ファクトニュース」として広がっている気がする。それは、メディアにとっての「今村発言」その物だと思う。

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