2017年3月13日

爆買い勘違い

昨日来日したサウジアラビア国王の訪日団。その規模や豪華さが話題になっているけれど、その中で腑に落ちない話題もニュースを賑わせている。それが、今回1000人とも1500人とも言われている訪日団による「爆買い」報道。その1000人規模の訪問団としても、それぞれ役割があって日本に来ているだろうから、どれだけの人がどれだけの時間日本で買い物とか自由になる時間が有るのか不明だけれど、滞在日数が数日なわけで、幾らそれらの人が買い物をするとしても一過性のもので有る事は確か。一時期の中国人観光客による爆買いが沈静化した百貨店業界にとっては砂漠にオアシスなのかもしれないけれど、それだって今後も継続しなければ意味が無いわけで、余りに「爆買い」と煽るのはどうだろうか。

中東などへは、土地柄も有ってか日本の甘みの多い果物類が人気と聞いたことがあります。そう言う意味では、デパートよりも千疋屋とかに訪問が集中するかも(笑)。あるいは、中東の独特の衣装「トーブ」は、日本製の記事が最高級品という事で人気があるらしいから、そう言う生地商品は受けるかも。一方でサウジアラビアもイスラム教の国だから、食事や食品関係は厳しいでしょうね。少なくともハラール対応になっていないレストランなんかには入れないだろうし、それよりも今回滞在先になっている都内のホテルって、どう対応するんだろうか。ルームサービス用にハラール対応の調理場とか別途準備しているのかもしれない。そう言う意味では、確かに今回の訪日団は一時的な売上増に繋がるだろうけど、でもその分準備に掛かったコストも大きい気がする。

脱石油産業を目指すサウジアラビアにとって、今回の日本を含めたアジア訪問は次のビジネスチャンスのネタを探す旅でもあるわけで、それを提案できるだけの余地が日本にあるのか分からない。一部記事では、現地でも販売しているトヨタが現地工場の計画を持っているらしいけれど、それでペイするだけの規模なんだろうか。かなり難しい技術だと思うけれど、日本も以前から協力している砂漠の緑地化技術や、最近日本では下火になりつつ有るけれど「植物工場」みたいなものをサウジアラビアで発達させることで、現地のニーズにも適合するし砂漠だからの付加価値も高い気がするんですけどね。以前にも見た、ガイアの夜明けの内容だったか、砂漠地帯で豊富な太陽光発電を利用して植物工場を運営している企業があったけれど、ああいう技術協力ってライバル(?)の中国にはまだ無い技術と言えるのでは。

最も、サウジアラビアという国は「厳しい国」でもあるわけで、実はなかなか大変国内状況もあるという話も聞きます。「独裁国家」とは言わないまでも、シンガポールが「明るい北朝鮮」と言われるような感じの国。とはいえ、あの中東地域の中では比較的西側諸国との付き合いがあり、それなりに西洋化されている国だけに、重要な位置に有る事も確か。これまで外交ベタで、相手のためには尽くすけれど日本への見返りが無かった日本が、最近の積極外交の勢いで何か実利を得るような結果を今回出す事が出来るだろうか。トランプさんとの蜜月時代を築きつつある安倍総理ですが、それ以外の地域との関係強化というのは地味に見えるけれど日本にとっては重要ですよね。特に日本のエネルギー政策にも影響ある国ですから、尚更です。

0 件のコメント:

コメントを投稿