2017年3月21日

市場の役割

豊洲市場移転問題や最近色々と問題が発見されている築地市場の様子を見ていて感じるんですが、彼らは移転する・しないという次元の議論をずっと繰り返していては、そんなに遠くない将来どちらに行っても衰退して消えるんじゃ無いかという事。東京のような頂戴都市の胃袋を支える立場として、築地や豊洲規模の市場の存在はバッファーとして重要な事はよく分かる半面、最近のビジネスモデルでは、産地と消費者を直結するものがどんどん生まれていて、それを考えると彼ら市場の役割は今後小さくなることはあっても大きくなることは無いんじゃ無いかと感じるわけです。

市場の役割は、天候に大きく左右される「魚介類」という商品を集積させて、毎日一定の消費が発生する消費者、レストラン、スーパーなど経安定供給すること。ただ、例えば大量に発注するスーパーでも、最近では地方の漁港から朝どれの魚を直送して販売することをやり始めているし、レストラン等でも同様の仕組みを取り入れ始めています。何度かテレビに登場している「羽田市場」のように、飛行機のスピードと空港直結と言う地の利を生かして滞留させないで大量に魚介類をさばくことを狙っている。消費者層にしても、ネットで魚介類を販売する業者が、最近では実店舗も設けて、その鮮度と種類の珍しさを武器に地元密着のビジネスモデルを作っていたりする。それまでの魚介類の物流に関しては、「大間のマグロ」とか「関サバ」とかブランド品であったり、あるいは馴染みのあるサーモンとかイクラとかという、「物」に対しての消費行動だったと思うんですよね。でも今の物流は、遠い地方の地物の魚だったり、その日の朝取れを夜食べるとか、鮮度という「事」の消費に変わってきている気がします。

これって、魚の消費量が減ってきていることにも起因すると思うのだけれど、一方で回転寿司チェーンなどで逆に昔に比べて結構頻繁に「魚食」が可能になってきているから、わざわざ自宅で食事をするときには、何時もと事はなる「何付加価値のある物」を食べたいという自然欲求でもあるんじゃ無いだろうか。だから、今の築地市場が観光地化している以上に、豊洲市場の周辺に観光施設を準備して都内だけで無く世界中から「魚フリーク」を集めて精緻化するというのが、実は豊洲成功の鍵の一つだったんじゃ無いかと思うけれど、それも今のところ頓挫しているわけで、このままでは仮に豊洲に移転しても築地に残っても、単なる「魚」という商品の集散倉庫化して行くだけのような気がする。

ビジネススキームとして、羽田と豊洲を船やバスで直結して、例えばシンガポールなんかでやっているように、乗り継ぎ時間の間に一時入国して豊洲ツアーをしつつ食事や仮眠を取れるようにするとか。あるいは、メインの競りに関しては今と同じようにするにしても、地方の物とか朝取れ物なんかは24時間流通させて、例えば今朝取れて夜消費するのを、お昼にはレストランに届くようにする事も可能になるかもしれない。豊洲の場合は、閉鎖空間で24時間空調などの設備が稼働するわけだから、逆にそれを逆手にとって24時間某かの競りなりイベントが行われるようにしたらどうだろうか。そういう「物」から「事」へ変わることも含めて、何処の市場を使うのが良いのか、あるいは市場自体が必要なのか、この機会に真剣に考えてみたらどうかと思うんですよね。で、それって魚だけで無く、全ての食材に関して言えることだから、最初にそう言う総合的なスキームを作ってしまえば、実は魚だけで無くそれ以外の物も扱えるわけで、それって他の市場に内付加価値として十分に意味があると思うのですが。

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