2016年12月17日

北方領土

一昨日の山口、昨日の東京で開催された日ロ首脳会談。予定が発表された頃は、四島返還に向けて何か具体的な話が出るかと期待感が高くなりましたが、その後どんどんそれが低下してきて、直前には領土問題はゼロ回答で、逆にロシアへの経済援助だけが決まるのでは囁かれるようになり、結果的にはその通りの結果を残してプーチン氏はロシアに帰ったような印象。

共同声明の中で、四島の名称を入れ込むことと、平和条約締結にはこの四島が関係するという言葉を残したことが唯一の成果だろうか。経済協力にしても、実際このあたりの漁業利権は北海道にとって重要な事は確かだろうから、今のように不自由な状況での漁業継続よりは、何らかの緩和が生まれれば少なくとも北海道経済にとっては良いことだと思う半面、結局それで終わりになる不安もありますしね。将来的には、よほどの事が無い限り、四島が日本の領土として認められ事は無いだろうから、一度日本の領土に戻した後に、直ぐにロシアに割譲して現状を固定する物の、特例として日本人は自由に渡航・生活・ビジネス出来るような特別区にするくらいが最大の妥協点じゃ無いかと思いますね。歯舞・色丹くらいなら戻る可能性は無きにしも非ずだと思うので、その当たり実際に取り戻して、国後、択捉の扱いをどちらがどれだけ妥協するかが、今後の話し合いの焦点でしょう。

返す返すも、領土問題は実効支配した者勝ちで有り、既成事実をどれだけ作るかが、色々な条約や合意を上回る最大の拘束力だと毎度実感しますね。だからこそ、尖閣諸島は譲れないだろうし、竹島にしても今後よほどのことが無い限りは今のままだろうし。今にして思えばだけれど、竹島は韓国が強制占領したときにやはりもっと強く出ておくべきだったと思うし、北方四島に関しては、ゴルバチョフ氏の時にもう少し何とかならなかったかなという気がします。

今のところ高い支持率を背景に安定して政治を進めている両国首脳ですが、安倍総理にしても今後の国内選挙結果次第ではいつまで今の地位にいられるか分からないし、それは80%以上の支持率を得ているプーチン氏も同様。どちらがかけても、今回のスタートはまたご破算になるだろうし、早めの進展を期待してですが、これまでもなかなか進まない相手国ですからね。今度は9月に安倍総理がロシアを訪問するらしいけれど、それまでに何か進展が無いと厳しいかも。来月にあると囁かれていた衆議院総選挙は秋頃に延期になったらしいけれど、9月という時期がちょっと意味深な感じを受けます。

なんか、今回のプーチン訪問って、「遅刻した」という印象しか残らなかったなぁ(笑)。ロシアとしても、現状維持でも何も彼らは困らないわけで、それでも日本が経済協力をしたいと言うのであれば渡りに船という気持ちなんでしょうね。「経済」という僅かな武器を、日本としてどれだけ効果的に使えるか、外務大臣がちょっとひ弱そうに感じるのがなぁ... 麻生さんくらい押しの強い人がやると少し期待も見えるんだけど。

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