2016年11月9日

危機管理

福岡の博多駅前で発生した大規模な地盤沈下事故。あれだけの事故なのに、直接の怪我人が無かったというのは奇跡に近いけれど、それもこれも事故の原因となった地下鉄工事の施工者が、地下水の流出から直ぐに工事を中断して付近の交通を停止させ非難を始めた直後に、この事故が発生したという事らしい。まさに「危機一髪」という感じだけれど、施工業者の迅速的確な判断もあったけれど、同様の事故が2年前にも発生していたことも理由らしい。

周辺の地下鉄工事で、何回か同様の事故が発生しているらしく、そうなると技術的な問題と言うよりもこの付近の地質の特殊性のようなことも検討した方が良いのでは無いだろうか。福岡の地形を見ると、山から海へ川が流れていた扇状地のように見えるので、地下内部はかなり脆弱なのかもしれない。ただ、幾らサンプリングで地形を調査しているとは言え、それ位のことは土木のプロなら把握しているだろうし。よほど普通のサンプリング位では把握出来ないくらい細かく複雑な地下構造になっているのかもしれない。

ぽっかりと空いた穴からは、中央に結構大きな下水道の土管の穴が開き、左右には上水道や電気通信用と思われる大小様々なパイプが見えていて、あれを繋ぎ直すのは大変そう。昨日の事故発生後午後にはもう、あの穴の中にモルタル入りの土をどんどん投入して、まずは地盤を固める工事を始めていたけれど、左右のビルの基礎部分も丸見えの状態だからああいう流動性の硬化剤を投入して隅々まで行き渡らせるのだろうか。その後、穴の手前から掘削して、新たに地中のインフラを接続し直すんだろうけど、想像するだけでも大変。

早々に地下鉄工事が原因と福岡市側も認めて謝罪会見を開いていたけれど、やはり工事の手法の再検討は必要でしょうね。もう一度起こったら流石に言い訳できない。一方で「機器管理」という意味では、非常に成功していてほぼ100点満点と言って良い対応だったのでは。起こったことを元に戻すことは出来ないけれど、その経験は次に行かせるわけで、是非この経験を例えば自然災害時や何かのトラブル時に発揮できるように整理して生かして欲しいですよね。で、それを全国で共有して欲しい。それが、福岡市の義務でもあると思いますし。

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