2016年11月20日

赤外線でがん撲滅

米国立がん研究所に努める日本人研究者、小林久隆氏が画期的ながん細胞治療方法を研究しているという記事。最初見た時に、近赤外線を当てて直ぐにがん細胞が... と書かれていたので、所謂「とんでも系?」と思ったんですが、近赤外線が直接がん細胞に影響するのでは無く、がん細胞にとりつく抗体に近赤外線で発熱する物質を付けて、その物質が近赤外線で発熱してがん細胞を退治するという二段階方式なんですね。で、さらにそれによってがん細胞が弱体化すると、元々の人間の免疫システムが残りのがん細胞を駆逐するという、最終的には三段階方式。

がんにくっつく抗体に何らかのマーカーを付けてがんに目印を付け、そこを放射線で狙い撃ちにするという方法は既に実用化されているけれど、費用が高価なのが難点。その点こちらは放射線照射では無く近赤外線照射なので、簡単にできる点も見逃せませんね。後後半に書かれていますが、iSP細胞にも適用出来る技術だという事。iSP細胞で臓器などを作成する時に、一部にがん化した細胞が生まれることが問題でしたが、それをこの技術で駆逐することで、安全なiSP細胞から臓器を作る事が出来るということで、凄く再生医療に対してのハードルが下がるのでは。直接のがん治療だけで無く、応用範囲も広くなるのは、やはり元々の技術が簡単でシンブルであるからこそだと思いますね。

例のSTAP細胞も、普通の細胞を酸性の液につけるだけで、万能細胞になるという「単純さ」で最初は衝撃を与えたわけですが、シンプルだけに検証もしやすいし真偽は直ぐに分かるもの。で、仮にその方法が有益であれば、シンプル故に応用の可能性は大きい。色々な意味で是非確率して欲しい技術だなと思いますね。

0 件のコメント:

コメントを投稿