2016年10月9日

動画削除

民進党蓮舫代表の定例会見の動画のうち、今問題になっている二重国籍関連の質疑部分を切り出して公開していたとあるTwitterユーザーに対して、民進党広報部から著作権侵害の疑いから削除依頼が来たという話。党の公式チャンネルで公に公開するために登録している動画で、かつ「共有設定」もされているものの該当部分を切り出したと言うだけでいきなり「著作権侵害」というのはどうだろう。「著作権」と言っても、蓮舫代表が政党の見解や情報提供のために開いた公式会見の様子なわけで、違和感を感じる。

仮に、このTwitterユーザーが、そのオリジナル動画に対して虚偽の字幕付けをするとか、内容を意図的に編集して会見内容とは異なる意図を主張しようとしているならば、まぁ「著作権侵害」をいう事も納得できるけれど、動画の該当部分を切り出しているだけで、その前後の内容が無ければその部分の主張に誤解が生まれるわけでも無く、一寸乱暴な言い分。仮に民進党としては、動画全てを掲載すれば問題無しと思うのだろうか。というか確かに動画自体は民進党作成で、彼らに著作権が存在しているとしても、その中の話題に関して一般国民が「引用」する権利はあるはずで、必要最小限の内容に関して引用する事は、例えばより著作権が考えられる新聞記事とか書籍でも許されている事。その出典を明らかにして、その引用部分に関して個人的に論評・批評することは「言論の自由」の範疇だと思いますけどね。

で、そう言うことには敏感なネット住民は、早速当該動画をどんどん拡散アップロード為ていき、段々と収拾が付かない状態に。そうで無くても注目されているところに、こう言う事をやったら火に油を注ぐ事になる事くらい分からないのだろうか... 著作権云々の話を一旦忘れると、民進党に為てみれば自分達の主張内容を広く拡散してくれるのだから、本来は好ましい行動のはず。でも、それを阻止しようとしていると言う事は、その映像の中に彼らにとって好ましくない内容が含まれていると言う事なわけで、それは蓮舫氏に対してのインタビュー内容とその回答に問題有るという事。で、蓮舫氏は「開示しない」と明言しているのだけれど、結果的には説明責任を果たさないという正目になるわけだし、問題無ければ堂々と開示するなり証明すれば良いのに、それすら拒否するという事は間接的に後ろめたい事が有る事を証明している事になるわけですよね。

これで民進党自身が登録している動画から該当部分を削除するとかしたら、ますます怪しいけれど、流石に一度公開した動画にそこまで修正をする事は無いだろう。でも、このまま公開していれば、どんどん拡散して社会的な圧力も増すわけで、そのジレンマにどう対応していくのか。

ところで、その著作権法によると、第40条「政治上の演説などの利用」は著作権の適用範囲外になっているので、だから報道機関などは自由に各政党の様子を配信できるらしい。今回の会見も、彼女が個人的に対応したものでは無く、政党の代表としての公式な会見の様子を撮影したものだから、公共性もあるだろうしこの条項にも適合するだろうし、そうなると民進党広報部の対応は批判されても仕方ない。結果的に自ら墓穴を掘ってしまい、痛くもない腹を探られる自業自得の結果になってしまった事に、実は民進党自身も蓮舫氏自身もまだ気がついていないのでは。それが最大の不幸かもしれない。

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