2016年10月30日

知事の公約

家の県知事もよく分からないところが有るけれど、この鹿児島県知事である元キャスターの三反園氏も、選挙公約とは真逆なことを言い出して、よく分からない。元々選挙中にも、原発停止なんて言っていたけれど、知事にその権限が無いことは分かっていて、それも指摘されて居て、仮に当選したらどうすると言われていたわけで、本人もまさか当選するとは思っておらず「しまった」と思ったのでは。先日の新潟の知事選でも、当選した知事は瀬虚の時には「原発停止」を言っていたけれど、元々は「原発賛成」なわけで、心情的にどう言う考えなのかよく分からない。デモ、この鹿児島の前例が出来たから、彼としては逆にやりやすくなったような。でも、それならその公約を信じて一票入れた人は報われませんよね。

選挙ではよく「一票の重み」と言う事を言って、一票当たりの格差が云々と言う事を言います。人口比で単純に定員を分けてしまえば簡単公平だけれど、そうすると大都市圏に議員が集中して、地方の議員数はますます減り、一票の公平性を重んじる余り、現実的な部分では損をすることになってしまう。さらに今回の様に、当選した途端に公約とは真逆の方向性に舵を切るような場合って、別の意味で一票の重みを軽んじているんじゃ無いの。

実はビジネスの世界でも同じような事はあって、一つの製品を作るときに、作る側としての理想は盛り込みたい。勿論、ユーザーの希望も取り入れたい。また、売れる製品にするために市場で人気の機能も取り入れたい。ところが、全部を詰め込むことは、コスト的にも機能的にも無理なことがほとんどで、そこで機能やデザインの選択をしないといけない。単純に考えれば、顧客ニーズを最優先するのが一番だけれど、正直それではとりとめなくなるし、大体が理想的な事ばかりでコスト的にも技術的にも現実的にも厳しい。また、社内的には「鶴の一声」みたいな物もあり、技術者が疑問に感じる物の、天の声で入れざるを得ない物、抜かざるを得ない物もある。結果、出来上がった製品は最初のプラントはかなり違う物になるわけですが、それで売れなかった場合には結局後から責任のなすり合い見た異な事も始まるし。政治なんてその最たるものですよね。公約とか選挙戦での発言を聞いていると、どの政党もこんなに素晴らしいリーダーはいないと思うような立派な事ばかり言うけれど、でもよくよく考えると、その中には矛盾する物もあるし、裏付けなく単なる"Wish List"で終わりそうなものもあるし。多分、任期が無くなるから絶対言わないけれど、やはり厳しい事とか反対されるようなことも含めて、ちゃんとやるべき事は言わなきゃいけないと思う。

個人的に熟々考えるのは、福島の原発事故があったときに、当時の菅直人総理が中部電力に浜岡原発の停止を命じて、それに従ってしまったことが、現在のこういう状況の根本原因だったんじゃ無いかと。勿論、中部電力としても、県知事からの要請ならまだしも、首相からの要請となると無下にするわけにもいかず、また当時の状況を考えると仕方の無い事とも思うけれど、結局あの時に停止したことで、原発は止めても良いんだ見たいな考えがなんとなく生まれてしまったような気がします。勿論、安全性を高めることは良いと思うし、福島の経験と知見は行かすべきだと思うけれど、余りに羮に懲りて膾を吹くようなことになってしまったんじゃ無いだろうか。それに、再生可能エネルギーを代替エネルギーにと言っても、結局そのコストの負担が一般利用者に降りかかって、確か今では毎月の電気利用料金の1割近くが再生可能エネルギーの補助(賦課金)に回っているんじゃ無かったかな。今では年間1兆円くらいになっているらしいけれど、仮に原発が稼働していれば、年間2~3兆円と言われてる火力発電での余分なエネルギー購入費が無くなるから、今の電気代の2~3割位は安い料金で利用出来ていたはずで、家庭は勿論、特に中小企業はかなり助かったはず。そういう功罪も含めて、全体で見た上で判断すべきなのに、どうしても一つのことだけにこだわるから、結局そこから歪みが始まり広がり、最後は破綻するような気がする。原発の安全性と有効利用、あるいは将来的には廃炉を考える必要性は勿論あるけれど、机上の空論だけで無くもっと現実を見た話をしないと、結局は損をするのは一般の人達ばかりになりますよね。

で、この三反園氏は、この原発の問題以外では知事として何をやりたいのだろうか。

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