2016年8月4日

納得できない「納得できる理由」

昨日の甲子園での女子マネ問題に関して、地元神戸新聞の経穴新聞であるディリースポーツ紙に掲載された「納得できる理由」。記事の中では「硬球の危険性」を中心に今回の規制に関して理解を示しています。さらに甲子園での練習が30分という限られた時間のないでできる限りの確認やプレーを消化しないといけないことから、通常の練習時とも条件や環境が異なることを理由にもしています。

硬球が当たれば、当たり所が悪けれど失明や場合によっては命にも掛かるかもしれないことは事実。でも、それを言い出したらじゃあ内野席で観戦している観客の安全性はどうなるのとか、ベンチに待機している選手やスタッフはどうなるのとか、それこそ今回の練習時以上に危険なケースだって存在します。さらに言えば、硬球が当たった危険が発生する場合は、バッターがボールを打って、それが当たるケースが殆どでしょう。それ以外では、ピッチャーが投げたボールが暴投になって当たる場合が次に危険なのかもしれない。勿論、内野の連係プレー中にボールがそれて当たる場合も有るかもしれないし、ノックの時にボールがチップする事もあるかもしれない。でも、前者のバットで打った場合に比べて、当たっても被害はそれ程大きくないでしょう。試合中に女子マネがフィールドに入ってボールに当たるようなことは有り得ないと言って良いくらいの事。今回は練習中に、多分ホームベースの後とか、ファールグランドで仕事をするだろうから、硬球の危険がという理由付けは、正直説得力は無いでしょう。それなら、女子野球自体を中止させないと。彼女たちは、ボールに向かっていくわけですからね。

で、地方大会ではどうなっているのか調べていたら、このグノシーの記事が見つかりました。やはり地方大会によっては女子部員がグランドに入ることが認められているケースもあるようですが、問題は記事の中にも書かれているように「練習補助員は男子に限る(=女子はダメ)」という規則にあるわけで、その点に関しての議論をするのが建築的でしょうね。確かに部員数も多いようなチームなら、レギュラーから外れた選手を色々な意味で報いるために甲子園のベンチに入れることは可能だろうし、意味もあるでしょう。でもそうで無い学校だって多く有り、所謂「女子マネ」としてベンチの裏方や練習の補助をして貰わないとクラブ活動が回らないチームだって多いはず。そう言う厳しい環境ながら、その地区の代表として甲子園に出場したチームの方が、多数の部員を保有して勝ち上がってきた学校のチーム寄りも、教育的には意味も価値もあるのでは。グノシーの記事では最後に、単に感情論で騒ぐのは無意味と言っているけれど、それは確かに正論。でも、集団提訴とかという話しでも無い気がします。それを言うのであれば、自浄努力なり新陳代謝を図らない高野連が非難されるべきで、その時に口火を切るのは後援している朝日新聞だったり、春なら毎日新聞だろうし、試合を中継しているNHKや朝日放送じゃ無いだろうか。

ディリースポーツの記事にしても、現行のルールに理解を示す論調になっていて理由のための理由を述べているようにしか感じられない。今回のケースが初めてのケースであったなら、それもまだ分からないでは無いけれど、8年前にも選手として地方大会に出場していた女性選手がこの既定で試合にも出場できなかったことがあるわけで、結局は何も変わっていないという事なのでは。野球というのは、どうしても9名の選手で固定して、それがチームの全てのように感じてしまうけれど、勿論代打やリリーフピッチャーの選手は勿論、ベンチワークを支えるスタッフだとか監督・コーチだとか、そう言うチームスポーツである、と言う事を教育の目標にするので振れば、自ずと今回のケースに対しての対応も明確になると思うのですが。結局、野球って旧態依然のまま未だに残っているスポーツと思われてしまうんでしょうね。東京五輪の競技種目には復活したけれど、それまでに何か変革が生まれるのだろうか。

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