2016年7月14日

整理されても混迷の都知事選

小池、増田、宇都宮、鳥越の四候補での都知事選突入と思われていたところ、告示日の前日夕方に宇都宮氏が突然立候補を断念。野党は鳥越氏に一本化して、小池氏、増田氏の与党分裂に対抗する方針らしい。

昨日行われた四氏による共同会見の様子をちらっと見ましたが、一応立候補を予定していて短い期間ではあるものの準備をしてきていた、小池、増田、宇都宮の三氏に比べて、直前に突然立候補を決めた鳥越氏の発言内容がボロボロだったのは予想通りだったけれど、その内容以前に体調というか様子が明らかにおかしかった事の方が気になりました。フリップを持ち上げている手が小刻みに震えている様子だったし、話をしている顔面の表情も時々けいれんするような様子が観られたんですよね。単に忙しくて疲れていたというような雰囲気では無かった気がします。本人は、これまでで一番健康・体調が良いと先日の立候補会見では言っていたけれど、本人はそういう自覚であるだけで、実は自覚していない部分ではかなり厳しい状況なのではないだろうか。確か石原元都知事が一度は三期での退任言いながらも、四期目の選挙に出馬した2011年の時の年齢は78歳で、あの時も高齢による健康不安が言われた記憶があるけれど、今回もそれよりは若いと言っても76歳。しかも四度のガン治療の経験があるわけで、あの時の石原氏以上に健康不安度は高いわけです。ここ数日の会見などでの鳥越氏の様子を見ていると、以前キャスターとして、MCとしてメディアに登場していた時と比べて明らかに衰えが見えるわけで、仮にこの人が当選したとしても4年間大丈夫なのかという不安はどうしても消えませんね。と言うか、この暑い時期の選挙戦に耐えられるのか、という気すらします。

で、それと同じくらい気になるのが、今回立候補を断念した宇都宮氏。過去2回都知事選に出馬して、時点ながらも毎回100万票近い得票を獲得していて、今回も上手く推薦や弘仁を得ることが出来れば、さらに得票の上澄みも可能で、与党側が分裂していることもあり、勝機はかなりあった気がします。多分、彼にとっても最後のチャンスなのは分かっていたはずで、しかも当日の直前まで立候補を言っていたのに何故簡単に取り下げたのか。凄くゲスの勘ぐりではあるけれど、ここで一度身をひいて貰えれば、次の選挙では宇都宮氏を推薦するというような「約束」が出来ていたのかも。石原氏が猪瀬氏を副知事に任命して、四期目の後は事実上の後継者指名をして猪瀬氏が当選したようなことを、今回提案されたのかも。あるいは、四年後の次の選挙となると宇都宮氏も年齢的に微妙な時期ですが、例えば東京オリンピック・パラリンピックに合わせて、実は2年くらいで鳥越氏は辞任して、2~3年後位に次の知事選を画策しているのかもしれない。無責任ではあるけれど「治療に専念したい」と本人が言えば、それを否定できる人はいないわけですからね。

さて、これでやや分が悪くなってきた与党系二候補。野党が鳥越氏を支援するとなると、宇都宮氏の100万票は先ず基本表として確実で、そこにどれだけの上澄みが可能かは不透明。それでも過去の選挙での得票を見ると、与党系は230~250万票くらいと推定すると、与党系はかなり厳しいのでは。一つ不確定要素なのは、今回から知事選挙に投票する18-19歳の世代の行き先。正直、鳥越氏の知名度はこの世代では低いと思うので、ここは小池氏に行くのでは無いだろか。それでも、一世代で大体10万票くらいだから多くても15万票くらいの上澄みでしょうか。小池氏としては、このあたりの若者世代と女性票をどれだけ取り込めるのかが正念場でしょうね。増田氏は推薦を受ける自公からの基本表に、どれだけ上澄み出来るか。所謂無党派層に対して、どの様に訴求できるかが課題なわけで、その点弱いかなという印象です。鳥越氏には、オール野党のバックアップが付くわけですが、彼は多分都知事選という意識よりも、反安倍選挙、参議院選挙のリターンマッチと思っている節があるので、それに対して同意する人と嫌悪する人がどれだけ野党支持層にあるか。個人的には、今日からの二週間の選挙期間中に、何かハプニングがありそうな予感もしているのですが。

いずれにしても、地方行政の長を決めるのはパフォーマンスではなく行政能力で見て欲しいですよね。でないと、一番不幸なのはその自治体でこれからも毎日生活していく住民なわけですから。

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