2016年6月6日

点と線と面

SankeiBizの記事から、訪日客を取り込むドンキ(ドンキホーテ)の戦略について。ドンキは、日本国内では知らない人はいないくらい有名店ですから、当然訪日観光客、特に中国からの観光客はドンキ目当てで来るのかと思っていたら、実は地道な努力の結果なんですね。特に、自店舗だけでは無く、まずはホテルと店舗を結びつける情報を提供して「点を線」に変え、さらには店舗周辺地域の情報を取り込み「線を面」に変えていくことは、考えもそうだけれどそれを実行して実現していく事が素晴らしい。勿論、ドンキという観光客にとって魅力ある付加価値ある「素材」が中心にあるから、点が線になり、線が面に広がっていくんだろうけど、このあたりのアイデアは、地方でも十分展開出来る気がする。

更に思うのは、観光客向けにプリペイドのSIMとも結びつけて、例えば一週間とか二週間とかの利用期間に、専用のサイトを利用したり、指定された店舗での買い物金額が一定の上限超えると、SIM利用料金がペイバックされるとか、そういうサービスを付加することで、その地域の滞在時間や滞在箇所を増やし、且つ情報の鮮度としても印刷媒体よりもさらにタイムリー且つ効果的に提供出来る気がする。勿論紙物の情報紙はブートローダーとして用意して、そこからサイトに移動してもらうような事は簡単にできるでしょうし。

勿論、その観光客の出身地や文化亭背景に応じて、単に多言語化するだけでなく、情報の内容も作り分けないと行けない大変さはありますけれど。でも、最近増えてきているイスラム系の人に、ハラール対応のレストラン情報や、朝晩の礼拝が可能な施設情報等提供出来れば、かなりユーザー獲得に貢献するだろうし、結局はそういう経験者の口コミが、今度は観光客予備軍の人達の情報源となり、利用者数も増加していくわけですしね。色々利害関係は生まれるだろうけれど、総合的な情報提供は準国策的に国が準備して、そこに参加する企業、協賛するお店が自分達のグループの情報をマッピングすれば、それぞれ地域、あるいはビジネスグループのマップが簡単に作れるようになれば、もっと効果的かも。当然、それぞれの作成した個別マップの情報は吸い上げて、さらに改善していくようにするし。マップのなかには、その時に開催されている一寸面白いイベント情報とか、食べ物以外のお店の情報とか、広げていく要素は幾らでもあると思いますしね。さらには簡単な会話が出来るような会話集も、そのイベントに特化したものを入れたりしたら、さらに使い勝手は良くなりそう。

こう言う記事の経験知や集合知を何処かでまとめて、分類して、フィルターリングして、更に洗練させて次のバージョンに繋げていくようなことを、本当は観光立国を目指すのであれば必要なんですけどね。昔は観光客が自分で調べて訪れる時代だったけれど、今はより観光客に必要な情報をタイムリーに提供出来る地域や国が「観光立国」になる資格を有していると言えるのでは。

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