2016年5月2日

都合の良い時の円高

日本経済はG.W.の中休みに入っていますが、海外ではその間もドル安円高が進行していて、G.W.直前の円ドルレートは、US$1=106.29となっています。個人的には、US$1=100円位が均衡値店で、US$1=90円を切ったら「円高」、=120円より上がったら「円安」かなという感覚なんですが、よくよく考えてみたら4~5年くらい前にはUS$1=70円台まで上がったわけで、それを考えれば今のレートが「円高」かちょっと疑問を感じます。

一般的に円高・円安を実感するのは、やはり外貨で買い物などをして日本円で請求された時でしょうか。ふと思い立って今週末に行く予定のシンガポールドル(SGD)と日本円のレートを見てみたら、いつの間にか1SGD=80円を切っていて、79円位になっている。SGDの場合、円安の時には1SGD=90~100円位の時があって、そうで無くても高いシンガポールのホテル代が、ますます割高に感じたものです。大体、80円台の中ぐらいが「普通のレート」という感覚があるので、80円を2円程度でも切っていると「安い!」という印象ですね。だからといって、シンガポールで爆買いする予定は無いけれど(笑)。

経済に詳しいわけでは無いけれど、円高よりは円安が好ましいというのが一般的な印象でしょうか。つまり、輸出産業が追い風になるのが日本にとっては良い事だと。でも、日本の経済を見ていると、決して輸出型の国では無いし、確か全体に占める輸出の割合は20~30%位じゃなかっただろうか。イメージ的には半分くらいという感じで、かなりビックリした記憶があります。それに、バブル崩壊以降日本企業はコストダウンのためにどんどん海外に製造工場を移転していて、それが2000年代の円高の時には加速されていて、今では海外でのビジネスは直接日本から出ていく物は少ないのでは。最近の円安傾向で、国内製造に回帰している傾向はあるものの、それって黒内障費用の製造物を輸入では無く国内製造に切り替えて流通コストをカットすることが目的だろうから、輸出産業拡大とは違います。逆に円高のお陰で、エネルギーの輸入等では恩恵があるわけで、それを考えると現状くらいのレート状態が一番バランスが取れているんじゃ無いだろうか。どちらかというと輸入物が多いPC関係のパーツなんかもこの円高の恩恵を受けるわけで、個人的にはありがたいことの方が多いのでは。

経済全体から見ると、理想的なレートというのはあるんだろうけど(IMFの資産だとUS$1=102円位が均衡レートだとか)、どんどん複雑化していきグローバル化していく今の世の中、一国の為替レートだけ見て判断するような時代でも無いと思うんですけどね。ビジネスをするなら当然のように、リスク分散で生産拠点を複数箇所持っていたり、製造する部材を分けていたりすると思うんですが、それらを上手く配置して計画して一番コストダウン出来るように臨機応変に対応していくのが今の時代は必要では。ある意味日本人がどちらかというと苦手な仕組みじゃ無いだろうか。日々の為替レートの変動に一喜一憂するよりは、もう少し長いスパンで広い視野で更に先のことを見ていかないと、これからの時代では生き残れないなと再認識しています。

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