2016年4月19日

いざという時の資格、非常時PM制度

まだまだ十分ではない熊本大分被災地支援。色々問題はあるけれど、一つの問題点は支援物資が基幹地点(例えば熊本県庁とか)までは届いても、そこから先の末端地点までは配布するリソースも情報も無い事。少なくとも人でさえあれば、人海戦術で何とかなるかもしれないけれど、それすらも無い状態ではいかに効率よく必要なところに必要なものを届けるかが大事ですが、その為にはここに何があり何処で何が必要でどうすれば配送できるかという情報と計算が必要。物流会社なんかだと、そう言うことはお手の物だろうけれど、だからといって全体の物流をマネージするほど彼らだって余裕があるわけではない。で、ふと思ったんですが、拠点毎に物資の管理とか人員の状況を把握して、そういう情報を例えばネットの共有マップに登録して適時更新するような役割の人を、こう言う災害時に配置できないかと言う事。

多分そんなに特殊な技術や能力は必要ないと思うんですよね。NTTの災害伝言ダイヤル見たいなサイトを事前に準備しておき、そこに必要な情報を刻々と登録するような仕組みを準備しておけば、後はそういう技術・資格のある人が、その拠点の情報担当者として情報更新を担当するわけです。多分、スマホの操作は誰でも出来るだろうから、例えば大量に到着した物資の量や内容を簡単に把握する技術とか、四季によって必要なものも変わるだろうから(冬なら毛布や防寒シートは必要だけれど、夏なら下に敷くシートや段ボールに団扇とか)、そういうものを判断する知識。後は、多数の人の人数把握や、年齢層の把握等、その避難地にどんな人達がどれだけいるのかと言う事や、必要な技術の有無判定とか、そういう非常時にキーとなる要素を把握する知識や技術を持っていれば、取りあえずどころどんな問題がありどんな支援が必要か、直ぐに災害マップが作成され、それによトヨタなどが提供している道路状況を重ね合わせれば、効率よく物資配布も出来るだろうし、逆に道路状況は悪いけれど危険度が高い地域には、それこそヘリコプターとか重要な資材投入をしてリスクを下げるとか。イメージとしては、AEDの講習会のような感じでそういう非常時PM(Project Management)の資格講習をして、多分内容や技量によってレベル設定も設ける。より上位の人がその地区の責任者になって、下位レベルの人達は、それぞれ専門の領域での情報収集と更新を担当するような仕組みが出来れば、かなり情報混乱が改善されるんじゃ無いだろうか。

こう言う災害時に日本人は冷静で秩序だっていると評価されますが、逆に言うとじっと災害が過ぎ去るのを待つという性質でもあるんじゃ無いかと。それが、例えば一晩で通過する台風のような場合なら良いかもしれないけれど、今回のように何日もそういう耐久生活が続くとなると、以下に日本人と行っても我慢できなくなるだろうし、混乱や停滞も解決されません。そういうときには、リーダーシップを取れる人が必要ですよね。問題は、そういうときに日本人としてはそういう人に全てを頼ってしまう性格でもあるので、そういうところを解決するためにも、複数人が分担してリードできるような仕組みが必要じゃないだろうか。AEDのように、そういう「非常時PM制度」のような資格開発をしてみてはどうだろう。それって、非常時の時だけでなく、これからの競争社会において色々なビジネスチャンスを掴む資質開発にもなるとおもうんですが。

まあ、そのためにも、どんな場合でも利用出来る通信手段と情報インフラの整備というのが、目立たないけれど重要な基盤整備ですよね。国内の情報通信会社には、そういう方向のサービスも期待したいです。

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