2016年3月10日

大人のランドセルの裏側

ITmedia、窪田順生氏のコラム「スピン経済の歩き方」から、最近世界的ブームとなっている日本の「ランドセル」について。この記事を読むまで、今の海外でのランドセルブームというのは、記事の冒頭にも少し降られているように、アニメや海外セレブの(日本人から見れば)ちょっと変わったファッションセンスから火がついたものと思っていましたが、実はそうでは無くこの記事に登場するランドセルメーカー、「大峽製鞄」のビジネスプロセスによるものが大きいというのは興味深い。

「大人のランドセル」に関しては、以前もここに書いていますが、こちらは別のメーカーなんですね。でも、どちらも有名な老舗メーカーらしい。

このコラムの最後のページのまとめが一番良くこれからの方向性を表していると思うんですが、暫く前までの日本は、閉ざされた世界の中でシコシコと成長してきた文字通り日本人の変態的な(笑)好みというか拘りが、たまたま世界に出て注目を集めたというケースがほとんどだと思うんですが、それは一時的なもので、直ぐにそれをつい津威するものが出てきます。問題は、その先に次はどうするかと言う事ですよね。確かに品質維持は重要だけれど、それ以上に消費者はコストに厳しいから、似たようなものなら中国製とか韓国製の安いものにシフトしていく。「高くても売れる物」というよりも、「その価値に合った物」を作り、さらにそれを効果的効率的に市場に対して訴求していく努力も必要ですよね。日本の企業の場合、「高くても良い物は売れる」という意識がどうしても残っていて、それはそれで大切だとは思うけれど、「その値段に合った価値」というバランス感覚が一番重要。価格的には、新興国がどんどん下げていくわけだから、日本としてはある程度の価格帯ででも売れるだけの価値バランスを考えないといけない。高くても良いけれど、それを納得させるだけの内容が無いとダメ。そこがまだ日本は弱いのかなぁ。更に弱いのが、訴求力。宣伝とかあるいは商品の見せ方売り込み方が下手ですよね。その当たりを一企業で解決するのは難しいだろうから、企業連合とか何か団体がリードしていくと、日本国内の中小企業でも世界に打って出て成功する可能性がぐっと高くなると思います。

この窪田氏のコラムは毎回面白く読んでいるんですが、このランドセルの話は一寸自分が誤解していたことをただしてくれたことも有り非常に興味深かったです。

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