2016年2月3日

理由にならない理由

甘利再生担当相と交代した石原大臣の国会での所信表明で、民主党が早速お得意の「理由にならない理由」攻撃を開始。「下品」「人の心を逆撫で」「馬鹿にしている」と言っているけれど、そう言うのってあくまで主観的な理由なわけで、大臣として不適格と言いたいのであれば、ちゃんと客観的な理由を言わないと、子供の喧嘩ですよねぇ。単に罵倒するだけなら、誰だって出来るし、罵倒したい相手なら、元総理の二人を筆頭に民主党にも沢山いるわけで、それらの人達は確かにそう言うことを言われるだけの理由はあるだろうけど、それは理由にならない事でもあるわけですよね。

例えば、今回はTPPの署名式直前の交代であるわけだから、ちゃんと相手国と話が出来るのか、あるいは今後のTPPに関しての国会運営に耐えるだけの能力があるのか、そういうところを責めるべきでは。そういう意味では、TPPに関わるような、農業問題とか知財関係とか、あるいは元環境相であったわけだから、TPPの環境関係の議題に関して問えば良いわけだけれど、折角そういう質問をしても後が続かない。一つは、質問する側にそこまでの知識が無い事もあるだろうけど、仮に内容が不十分でも相手に答えられては質問者としての立場が無くなるから何でしょうね。質問者に対して、回答できない、あるいは詫びるだけのような、相手を見下せるような立場を取れる質問をすることで、回りに対しての存在感を際立たせることしか眼中には無いんだろうなぁ。「下品」と言われて「いゃわたしは下品ではありません」と答えたが最後「では、それを納得いくように説明せよ」と悪魔の質問になるわけだし。

逆に民主党がTPPに関して不安を感じているなら、甘利氏を特命担当みたいな立場で参加させれば良いわけですよね。裁判で有罪が決まったわけでも無いし、最近の報道では相手側の素性の怪しさも明らかになってきているわけだし。大体、利得斡旋とか献金問題と言うのであれば、民主党だって色々あったけれど、結局うやむやで終わっているわけですよね。それを先ずちゃんとして欲しいところです。と言うか、民主党としても過去のそういうところを触れて欲しくないのか、今回はこれだけ大きな話題になっているのに、メディア等に登場する民主党や他の野党の追求の様子が凄く静かに感じます。以前ならば、蓮舫議員とか、我妻議員とか、有名どころの議員のコメントや意見がメディアを賑わすと思うのに、今回はそういうものを見た記憶が無い。実際は、あちこちで出ているけれどメディアが距離を置いているのか? でも、それならそれで、なんでメディアが距離を置くのか、その理由を知りたいですよね。案外、同業者であるだけに、今回の文春のスクープの怪しさみたいなものを感じているのだろうか。

今回の交代劇後の支持率調査では、自民党は3ポイント位アップして、50%を超えたのに対して、民主党などは逆に下がっているんですよね。つまり国民の意識としては、悪いことは悪いけれど、それよりももっと重要な事を進めろよ、ということでは無いだろうか。仕事で同じような場面に遭遇した場合、先ずやることはその犯人なり当事者を責めることでは無く、以下にその穴を埋めて当初の予定を予定通りに完遂させるか、ということ。懲罰などが必要であれば、終わってからゆっくりやれば良いことですから。そういう大局的な運用というか対応が出来ないうちは、やはり与党への再登板はないなという確信だけが大きくなりますね。

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