2015年8月27日

国家の威信

9月3日に開催される一大イベントに向けて、ちゃくちゃくと準備を進める中国。で、イベントのタイトルが「抗日戦争勝利記念行事」ですから、どうしたって敵役を作らなきゃいけないわけで、でもその肝心な日本の首相は不参加と言う事であれば、別の敵役が必要なわけで、そう言う理由かどうかまでは分からないけれど、とうとう天皇陛下をターゲットにしたみたい。私は、個人的には天皇制には批判的な立場ではあるけれど、それでも国の象徴として代表する立場の人に対しての批判としては一寸脈絡を欠いた内容では?

「新華社」と言えば中国政府の広報機関ですから、当然中国政府が意図的にこういう記事を掲載しているわけで、つまり政府として日本に対して嫌がらせをしている、と考えてもあながち間違いでは無いのでは。「特定の国を対象にしているのでは無い」と今回のイベントの正統性を言っているけれど、どうしたって日本をターゲットにしていることは確かですしね。実際にその当時に旧日本軍と戦っていたのは現在の台湾に逃げた国民党であったとしても。

今回の「抗日戦争勝利記念行事」という名称が、最初は日本に対しての当てつけだと思って居たんですが、そうではなくてこのwikiの説明を読むと中国以外の連合国では過去開催されているし、結局枢軸国側で最後に降伏したのが日本だったので、第二次世界大戦の終結=日本の降伏、という図式が成立しているんですねぇ。知らなかった。少なくとも中国だけが勝手にやっている、と言う誤解は解かないといけませんね。ただ、今回のイベントのように、本来その戦争とは直接関わらなかった様な国々まで招待して式典をするのはどうだろう。

「関係無い」と言えば、その戦争当時は日本に併合されていて日本の一地域で有り、「日本兵」として戦争に何万人も参加していた「朝鮮(当時)」の国の大統領が、「戦勝国」としてこのイベントに参加するらしい。色々当時の様子を説明する記事はありますが、産経新聞の黒田氏が書いているように今の韓国の立場って、ドイツに対するオーストリアに相当すると考えるのが一番しっくりくるわけで、そう言う意味では韓国は謝罪もしていない。中国へ行って「当時は戦ってご免ね。今は経済が厳しいからしっかりサポートしてね」とでも言うのだろうか。

中国としては、何億という人民の意思を統一して、経済成長や国力拡大に振り向けないといけないけれど、皮肉なことに経済が拡大して富裕層が増えれば増えるほど、国の意思には反する方向に人民の気持ちは向いて言ってしまう。ばらけた気持ちをまとめるには共通の目標、あるいは敵を設定するのが一番簡単かつ効果的なわけで、そう言う意味では時期的にも日本が格好の的。ただ、本当にお金を持っている富裕層はどんどん逃げて行ってしまうし、ある程度のお金ある中間相以上の人民は実際に日本に来て現実を知ってしまう。残った人民達は党の意向に沿った意思統一をするけれど、でもどんどん縮小して加工する経済の影響を一番受けるのもその人達なわけで、そう言う意味では一番コントロールが難しい局面へどんどんはまり込んで行っている気がします。韓国としても、同様に経済が下降気味だけど援助してくれそうなのは最大のマーケットである中国だけで、そこと協調行動を取るためには、日本叩きは韓国にとっても都合の良いツール。行ってみれば100年前に戻るのが一番楽で簡単と言う結論なんだろうか。

まぁ人間関係も同様だけど、他人がどこで何をしようと勝手だけど、自分達の都合のためにこちらまで巻き込むのだけは止めて欲しい。彼らの下手な面子を保つために、こちらを下げるのでは無く、自らの面子を向上させることをもっと真剣に考えて欲しいですよね。多分無理だと思うけれど。

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