2015年8月7日

メールとメッセージと

PCWatch、山田祥平氏のコラムから、インスタントメッセージとインターネットメールの棲み分け・使い分けについて。コラムの最初の方にも書かれているように、昔の「ネットワーク」は、各ISPや企業毎にクローズドな物だったので、例えば社内のデータやメールのやり取りは可能であっても、外部とのやり取りは紙の「レター」だったというのは普通。日本から、アメリカとかヨーロッパには一瞬で電子メールが社内ネットワークで届くのに、仕事先には紙のレターを送るので、2~3日かかるなんていうのが、ある意味不思議でした。当時社内ネットワークを持てる企業は、それこそ世界的な大手企業で、社内にかなりの大きさのIT部門とか持って、サーバーや交換機は勿論、ネットワークインフラも自社で引いているところもあったりしましたが、それがインターネットの普及でどんどん色々な企業が参加するようになると、逆にそう言う専用線のネットワークを使用していた大企業が乗り遅れるようなケースも。うちの会社も、一時期は社内のメールシステムはNotesで、社外にはテキストベースのメールが飛んでいくので、社内と社外のメールが混在すると凄く扱いづらかった記憶があります。その後、HTMLメールとかRich Textのメールがサポートされるようになると、そう言う不整合さは段々無くなっていきましたが、セキュリティポリシー等で未だにプレーンテキストしか許していない企業も多く、なかなか大変ですよね。

まだ、そういう閉じたネットワークの時代であっても、昔の言い方だと「チャット(Chat)」という、今のインスタントメッセージみたいなサービスもあり、レスポンスは凄く遅かったけれど、結構リアルタイムで話しなんかが出来ました。複数の人間が参加しての対話も可能で、画面デザインとか機能は今の方が進んでいますが、「リアルタイムに会話する」という意味では、昔も今もそれ程変わらない。ただ、当時のネットワーク参加者は電子メール利用から入ってきた人が殆どなので、余りああいう会話型のツールを好む人は少なかったんじゃ無いでしょうか。私なんかは、当時フットボールの会議室に参加していたりしたので、試合をリアルタイムで見ながら会話すると何て言うことは時々参加したけれど、結構好き嫌いはありそうですよね。

昔(今もあるのかな)News Groupというディスカッション用のシステムがあり、これはメールベースでやり取りをDBに蓄積していく物でしたが、ここの発言(=メール)にIDが降られて、そのメールの前後関係が解るようになっていました。所謂、「スレッド」を延ばして会話の履歴が遡れるようになっていたんですが、たまにそのスレッドを無視する、あるいはスレッドを維持せずに会話の流れとは別に新規にスレッドを立てると非難されたりしましたが、今のインスタントメッセージも似たような印象がありますね。それでも、インスタントメッセージだと、それまでの参加者の会話履歴が全て一覧できるから、エビデンスとしてはメールよりは良いのかもしれないけれど、その簡易性故に今の熟年世代には受け入れられないだろうなぁ。まぁ、紙のレターや書類をやり取りしていた時代の人から見たら、今の電子メールや電子帳票も「受け入れられない」と思うだろうし。

コラムの最後に「最近の若者は自分のメールアドレスもよく覚えていない」と書かれているけれど、例えばFacebookでメッセージのやり取りをすることが最近増えましたが、あれってFBから送るのは簡単なんだけど、普通のメーラーから相手のアドレスを探して送ろうとすると、偉い面倒です。元々そういう事を想定していないのだろうと思うけれど、ある人はFBのメッセンジャー、ある人は電子メール、ある人はLINE、何て言うことになると、もうパニックですよね。何か中間サーバーみたいなものがあって、そこに自分の好みの方法でメッセージを送ると、その宛先に登録されている人には、その人の好みの方法でそのメッセージが自動的に配信されるなんて言うサービスは生まれないだろうか。そうすれば、自分はトラディショナルがメールシステムで全て対応出来るし、相手の誰かさんは全てインスタントメッセージで対応出来るし。言ってみれば、コンピューターのプログラミング言語が色々誕生したような物で、そのうちに古い言語は淘汰されて新しい言語のみ生き残るかというと、今の状況を見ていると必ずしもそうではありません。メールやメッセージなどのコミュニケーションシステムも同じような道を辿るんだろうなぁ。一寸安心かも(笑)。

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