2015年8月22日

上海下落

この週末の株式市場は、上海の下落影響を受けて一気に日本も2万円台を割、来週の動向が気になるところ。まだ結果は出ていないのけれど、これまで世界経済をある意味牽引してきた中国経済の落ち込みが原因と言って良いかと思いますが、ここで不思議なのは中国政府は公的資金を注入して何とか下支えしようとしている半面、その原資がどこから出てくるのかよく分からないこと。日本だと「赤字国債発行」という方法で賄っているわけですが、中国でそう言う国債みたいな物をどんどん刷っているという話は聞いた記憶がありません。と言うか、中国は共産党政権が政治を動かしているわけだから、日本のように一般税収とか国債発行というまどろっこしい方法なんて使わずに、日本共産党が言っているように設けている大企業から吸い上げて、貧しい国民へ還元するというのが「共産主義的平等精神」であろうから、そう言うことをやれば良いのにと思います。でも、大企業=政府直結という構図がまだ結構残っていたりするから、政府自身で自分の首を絞めるようなことはやらないだろうなぁ。共産主義、社会主義っていう政治体制は、確かに仕組みとしては平等を目指す物ではあろうけれど、過去の実例を見ると「権力構造」が必ず生まれて、結局経済レベルとは別の階級闘争が生まれるんですよね。そう言う意味で、資本的には格差が無くなるはずが、別の格差社会が生まれて、結果的にそれが資本的格差を生み出すという悪循環しか生まない、と言うのがこれまでの人類の経験知だと思います。

一方で、確かに上海指数は数%ずつここ暫く下落してはいるけれど、少なくとも前日の終値と連動しての動きから、ある程度アメリカ的には織り込み済みで、このままソフトランディングしようとしている、と言う意見もあるみたいですね。ただ、実際問題アメリカのダウも軒並み落ちている以上、アメリカも含めた西欧社会としてもそれで良しとは言えないと思いますが。

世界的には多少のロスが生まれても、それで新たな安定が生まれるのであれば今度はそれを基盤に経済を延ばせば良いわけで、そこはこれまでも繰り返されてきた歴史と同じ。問題なのは、その付けを被る中国人民なわけで、その不満がどう言う形で噴出するのかで、今後の中国経済が大きく変わる可能性も出てきますよね。いずれにしても、一個人としては見守るしか無いわけで、少なくとも折角上向きになりかけた日本経済が多少の倦怠は生まれるとしても、このまま上昇傾向が崩れること無く継続することを祈るだけです。

考えすぎかもしれないけれど、数年前に尖閣諸島の問題で中国がレアアースによる経済制裁をやり、それが切っ掛けで中国から他の東南アジアへ設備をシフトする傾向が生まれましたが、あれはある意味日本の製造業にとって本意では無かったけれど良い切っ掛けとなったのかも。勿論、全ての企業がそれで救われるわけではありませんが。

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