2015年4月11日

AIIBを例えると... (2)

暫く前にAIIBの話題で、「AIIBはサラ金」説を書いたんですが、結構同じような事を書いている記事が多くて、あぁやっぱりみんな考えることは同じなんだなと安心した次第(笑)。いいかたはべらんめぇ調だけど、この麻生財務大臣の言っていることが一番確実な気がします。ただ、先の記事にも書いたんですが、貸し出し主体としてのAIIB(アジアインフラ投資銀行)の透明性信頼性は重要な一方、借りる側としても世界銀行やアジア開発銀行では通らない案件でも、何とか設備したい開発したいというインフラはあるかもしれない。発展途上国だからこそ、条件は悪いけれど今必要なインフラっていうのもあるでしょう。そういう部分に投資してちゃんと整備して、新興国の立ち上げに貢献するようなリスクを取れる組織も必要じゃ無いかとは思うんですよね。ただ、ハイリスクだから貸し出す方もハイリターンを前提にしないと経営が成り立たないわけで、そういうところを中国が半分の支出をする組織に任せて良いのか、それは甚だ疑問なわけですが。

中国単体なら、幾らでも人民元を印刷してお金を作る事は出来るかもしれないけれど、それだって中国国内で経済が回る間だけなら有効な手段。一旦そのお金が国外に出たら、そこで使用される通貨はドルでありユーロであるわけですから、すればするほど中国は持ち出しになるわけで、それだけのリスクを担保する事が出来るのか不安だけが大きくなる感じ。中国としては、何とか人民元を基軸通貨にして、人民元で開発や経済がグローバルに回るようになれば、幾らでも人民元を印刷して仮想経済が回ると言う思惑なんだろうけど、それって何となくBitCoinなんかの話とオーバーラップするのは気のせい? 仮想通貨だけで閉じている分には全く問題無けれど、それが外部との交換や何らかの依存性を持った途端に独立性が消えて現実に引っ張られる存在になるのは明らかですから。

サラ金ビジネス(個人金融って言うべきか?)にしても、グレーゾーンが撤廃されて上限金利が下げられてハイリターンのうま味が無くなった途端に、貸し出す側がリスクテイクしない(出来ない?)状態になり、結局は貸し出しビジネスも縮小していきましたが、中国としてもある意味アメリカとか日本とか五月蠅い存在には入って欲しくないのでは? でも、50カ国以上の参加国があっても、その中で中国に続くくらいの出資能力のある国って殆ど無いわけで、そうなると中国がやりたい放題出来る半面、殆どのリスクを自らが取らないといけない立場になる事を、中国としても良しとするのだろうか。最初の基金は6兆円位との事ですが、それくらいならまだしも、それが倍になりさらに倍になってと大きくなると、いくら中国と言えども破綻しそうな気がする。

思うに日本としては、アジア開発銀行を軸足にすることを変えずに、オブザーバーあるいはAIIBとの連携を考える程度で良いんじゃ無いだろうか。出資に関しても、例えばADBからAIIBへ融資する、あるいは協力金のような形で担保金みたいなものを貸し出して、それでAIIBのスタート時点での財務体制を補強してあげるとかはどうだろう。AIIBとしては、世界銀行やIMF等との協力はやぶさかでは無いと言っているので、そう言う形である程度相手に介入しつつ、リスクは下げて、でも何かあったときには一言言える立場にいることは重要だと思います。中国としても、G7の参加とか予想外の成果はあったけれど、逆透明性などを指摘されて譲歩せざるを得なくなり、自分達が主導するという裏の目的が段々と薄められていくことで、痛し痒しじゃ無いだろうか。

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