2015年2月26日

年収格差

確か先週日曜日のCX系「新報道2001」だったと思うのですが、最近話題のピケティブームに関連して、年収格差の話が出ていました。で、民主党の議員さんだったと思うのですが、ちょっと興味深い話をしていました。

「年収格差」とか「収入格差」というと、どんどんどんどん富裕層がますます裕福になって行っているイメージがあるけれど、実は上位所得者の割合と下位所得者の割合はそれ程変わっていなくて、その間の中間層の中の下位の人の収入が減ってきていて、下の年収層にシフトしていることで「収入格差」という雰囲気が出来ていると言う話。例えば、これまで800~500万円位の年収の人達が、600~400万とかに下がっていると言う事らしいですね。

その話にも関連して、こんな記事も。確かに、例えばアメリカなんかの「富裕層」と日本の「富裕層」を比較すると、とんでもない差があります。と言うか、発展途上国なんかの方が、もっと激しい格差がありますよね。また、「財閥」なんて言うのが未だに残っている韓国の方が、日本よりも収入格差は大きいんじゃ無いかとも思うし。この記事にも書かれているように、日本の問題は「下方向への格差進行」と言う事を考えると、例えば富裕層への課税拡大をして平均化を使用とすると、その富裕層からしてみれば特に収入が大きく変わったわけでは無いのに、税金だけ余計に取られると言う印象にもなりかねませんね。少し古い記事ですが、同じような説明もされています。現在ではもう少し割合は変わっているかもしれませんが、給与所得者の上位4%が所得税の半分を賄っていると言う事は、ちょっと意外でした。ピケティ関連の色々な話や意見が最近沢山出てきますけれど、素人ながらそれらの話を聞いていて一寸ピンと来なかった理由が、そういうところにあるのかもしれません。つまり、彼の想定している社会モデルが、必ずしも実際の日本の社会モデルと一致していないということ。

年収の話でもう一つ興味深いのが、ちょっと出典は見つからないけれど、国会審議の中か何かで、安倍総理が年収低下のロジックの話で、「年収800万の私と専業主婦の妻だった家庭が、妻が働き出して年収400万円を得るようになれば、その家庭の一人当たりの年収は600万円と下がったように見える」みたいな説明だったと思います。これって、例えば非正規労働者が正社員として採用されて年収計算されると、見かけ上の値は下がると言う事にもなるらしい。非正規→正規という雇用形態の変化は、本来望ましいはずなのに、それによって得られる統計データだけ見ると、逆に正規雇用者の収入低下にも見えてしまう。この辺り、結構都合良く数字だけを利用する人も多いので、単純に鵜呑みにせずにある程度背景を調べて理解しないといけませんね。

で、日本の根本原因である「中間層の減少と下方向へのシフト」の対策と言うのが難しい。ただ、会社の仕組みなんかを見ていると、特に製造業なんかで見ていると、日本から中間層から下の部分の仕事はどんどん海外に出て行って、日本国内で生き残るためには、どれだけ付加価値を付けられるかという事が暫く前から主流になっています。収入を得るためには、某かの「仕事」をしないといけないけれど、その仕事の内容・質が昔のようにどの階層でも存在していて、誰でも選択できると言う時代では無くなったと言うことは理解しないと。結局収入アップしたけれど、より付加価値の付けられる仕事をするか、複数の仕事を掛け持ちにする=量による付加価値、をするしか無いんですよね。行政的には、教育制度の充実とか色々あるのかもしれないけれど、結局は働く側の意識改革が無いと、何も解決しないと思います。厳しい時代だけど、人間にしてもそれに対応しないと生き残れないのは、自然界で厳しい環境で生きる生物と同じ事なんですよね。それを勘違いしないことが重要じゃ無いだろうか。

0 件のコメント:

コメントを投稿