2015年2月7日

情報戦

ISIL(所謂「イスラム国」なる戦闘集団)の事件は色々なことを我々に投げかけていますが、その一つにYouTube等を利用した「映像戦略」とでも言うべきものがあったと思います。その映像が本物(生)であろうと、加工されたものであろうと、一つの場面が色々な人によって憶測を生み、それによって相手側の意思も分散して、ISIL側が主導権を持って物事を進める事が出来た事象だったと思います。一方で、日本からはその画像を再加工して、相手を茶化すといかおもしろおかしくした画像が爆発的に広がったりして、その行為自体は決して誉められることではないのですが、相手の情報戦を希釈させる、あるいは相手の意図を挫くと言う意味で一寸感心してしまうカウンターアタックでした。どちらも、最近広く普及しているSNSやYouTubeという「ツール」を利用して一気に拡散する手法でした。

一方で、昔ながらの方法で情報戦を仕掛けているのが、韓国の「所謂慰安婦問題」関連。関係無い海外に銅像を建てたり、アピール行為をしてみたり、今度は教科書にも記載を始める始末。世界中の図書館などで、「日本海」記述はけしからんからと「東海」と書き換える連中ですから、その程度の事は屁でもないんだろうけど不愉快さはISIL以上です。こういう情報戦の怖いのは、その教科書なり何かの文書に「慰安婦」が記載さていることよりも、「記載された」という事を根拠にさらに大きな話に膨らませていくこと。丁度、吉田某の虚偽や朝日新聞の誤報が、その内容自体よりも「そう言う事実が有る」という理由に使われて、そこから沢山の物語が生まれて言っています。だから、元々の吉田証言とか朝日新聞の誤報が取り消されても、既に成立してしまった物語は消えずに残っていき、それが「事実」となっています。

日本の拙いのは、どうしても日本人的思考で考えて「少し我慢すれば」とか「波風立てない」という考え方をするけれど、それは日本の外では全く成り立たない考え方。特に、中国・韓国に関しては、相手は「これ幸い」と利用する事はあっても、そこから何か善意なり真意なりなんて感じもしないとくみ取ろうなんていう事もありません。全ての人がそうでは無いとしても、圧倒的なマジョリティがそう言う思考をするので、ごくごく少数のマイノリティー何て即座に否定されてしまう。これまでの日本の対応も拙かったけれど、だから取ってこのまま黙っていてはどんどん悪くなるだけ。実は、SNS等に比べて、こういう古典的な手法は時間も手間も掛かるけれど、その分効果を持ち始めると大きなモーメントを生み出します。だから日本としてもかなりの力を注がないと、この動きを止めることは出来ないけれど、丁寧に歴史の資料を発掘していけば、明らかに韓国の言い分はおかしいと言う事は分かるので、そう言うことを折に触れて主張していく「情報戦」を進めないといけませんね。

大体あれだけ日本の「慰安婦問題」を非難しながら、今でも世界中で女性問題でトラブルを生み出していることの矛盾を、どうして誰も矛盾していると思わないのだろうか。

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