2014年12月17日

国内にあるクラウド

ITmediaの記事から、Microsoftのクラウドサービス「Office 365」のデータセンターを、日本国内に開設するという話し。その性格上、場所はどこかは書かれていないけれど、東日本と西日本の2箇所に解説されるデータセンター。記事では国内の販社向けに、国内でデータが保管されていると確約することで安心感と安全性を訴求できると書かれているけれど、本来「クラウド」という仮想環境に保管されているデータだから、どこからでもアクセスしていつでも利用出来ると言ってきたのに矛盾しないか? まぁ仮想的なクラウドとは言いつつも、実態はデータセンターでありストレージ装置ですから、物理的にどこかに存在していないといけないわけで、そこを突っ込むのは無粋という話しも(笑)。

まぁ、見た目は仮想環境でも、それを支える物理的デバイスなりネットワークを無視して使うことは出来ない訳で、安全性云々以前に特にデータアクセスのスピードは重要な要素。その為には物理的に近い場所にあるのは必須条件ですからね。個人的には、超高速なネットワーク回線があれば、データの蓄積元が国内でも海外でも気にしないけれど。ただ、国内にデータセンターを設置する場合、色々課題もあるわけで、直ぐに思い浮かぶのが「耐震性」。日本の建築技術やこれまでの耐震設計の蓄積はあるだろうけれど、そのデータセンター本体に影響が無くても、回りの設備なり回線が途絶する可能性もあるわけです。電源については、自家発電装置はあるだろうけれど、燃料も含めて結構な設備が必要そう。通信回線についても、光ファイバーだけで無く衛星中継等も考慮しないと、何か有った場合にデータは残るけれど利用出来ない状態になったら元も子もありませんし。勿論、東西に2箇所データセンターを設置するのは、そういった場合に備えて冗長性を持つためでしょうけど、海外も含めてさらに二重三重のバックアップ体制があるのだろうか。

さらに、アクセスの利便性を考えると、クライアントが直接データセンターにアクセスするので無く、途中にキャッシュというかバッファーサーバーみたいなものを置くと思うのだけれど、それの安全性とか、それならデータセンター本体は海外にあっても同じじゃん、と思ってしまう。幾ら安全性が高くても、アップロード・ダウンロードのスピードが遅くてはお話にならないし。現在ではLTEで100Mbps以上のスピードが出ているし、あと数年後にはGbpsクラスのサービスも始まるだろうから、そうなるとデータセンターへのアクセススピードが律速段階になってしまいます。それも解決しないと、クラウドと言いつつも単なるオンラインストレージ以外の使い道が無さそう。あっ、後はどうしたって「バケツ」になるわけだから、容量がどれだけ取れるかですね。その当たり、なかなか「これ」というサービスが出てこないのが悩ましい。

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