2014年8月5日

夢のバッテリー

京都大学とシャープが共同で、Li-io電池の寿命を6倍以上も延ばす材料開発に成功したという記事。この手の素材開発は、頻繁では無いけれど時々報じられて、それ自体は物珍しさは無いけれど、今回の場合は従来のようなTry& Errorで何度も試験するのでは無く、予めコンピューターシミレーションで素材の候補を絞り込み、効率的に素材候補を絞り込んで確認したというところじゃ無いかと思います。勿論記事の中でも触れているように、シミュレーション上は最適な組合せと出たとしても、今度は実際にその構成となる素材を作り出す技術も必要なわけで、簡単には作れないとは思うけれど、ある程度方向性が分かっていれば作成技術にしても候補が絞り込めるから、これまでのようにやってみないと分からない方式を何度も繰り返すよりは十分に効率的で効果的なんでしょうね。

で、今回のバッテリー素材、これまでの素材と比べて6倍ものサイクル寿命が有り、単純計算で一日一回のサイクルを実行したとすると、25,000サイクル=約70年の寿命が期待出来るとのこと。携帯デバイスでは省電力化も進み現状の技術でも十分すぎるけれど、電気自動車とか家庭内蓄電装置とか、ある程度の年数を想定しているところには有効そうな技術です。特に家庭内蓄電装置なら、夜の間に備蓄して昼間使う利用サイクルが定着すれば、最大発電量を下げる効果もあるだろうし。個人的には短期的には原発を早く再開して、そのエネルギーを利用して次の世代のエネルギーシステムを準備して、その後リスクの高い物から廃棄・廃炉していけば良いと思うけれど、そう言うトランジションを支える技術の一つになるかも。こういう物と組み合わせることで、今は単なる自己満足にしかならない太陽光発電も生きてくるわけですからね。自然エネルギーや再生エネルギーの研究開発も重要だと思うけれど、こういう蓄電技術やエネルギー保管技術に関しても、もっと力やお金を注ぐべき。結果的に、それが脱原発にも繋がるわけだし。そう言う中長期的な視点や考えなく、短絡的に「反対」というだけの集団には分からない話何だろうけど。

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