2014年8月25日

朝日の墓穴

福島第一原発元所長・吉田晶郎氏の事故後の聞き取り調査、いわゆる「吉田調書」の記事を、産経新聞が最近掲載しています。元々は、非公開という前提で聞き取り調査された内容何ですが、何故か朝日新聞がその内容を入手して紙面に掲載し、「事故後無許可で殆どの所員が離脱」みたいなセンセーショナルな言い方をしたものだから、一気に世界的な話題になってしまいました。その後産経新聞も調書を入手して、朝日新聞とは反対の主張をしていて、また朝日vs産経のバトルか、なんていう状態なんですが。政府としても、既に一部とはいえ内容が公開されていること、個人の死後遺族の了解が得られたこと、等の理由から近近に開示するようになるらしいのですが。

個人的に凄く疑問なのは、朝日新聞はその「吉田調書」の内容なり情報を、どこからどの様に入手したのかということ。政府の調査期間が調査して非公開としている情報が、どう言う方法かは分からないけれど、入手出来て良いものなんだろう。それも、朝日新聞は5月の時点で記事にしているから、多分実際に入手したのは4月の終わりとか5月の初めですよね。それから遅れること3ヶ月で、今度は産経新聞も入手したとして記事を掲載していますが、これは何となく朝日新聞の記事に不満を持つ関係者が流したのではなんていう想像も出来るんですが、いずれにしても、「非公開」と言っている情報がなんで流出してくるんだろうか。

「非公開」の「非」は「絶対にxxxしない」という強い否定を意味する言葉のはず。これが「未公開」なら「未だ公開はせず」という限定的な意味になるから、何らかの理由で外部に出てきてもまだ分かりますが。いずれにしても、朝日新聞は何らかの伝なり方法を使って、調査委員会担当者と連絡してそこから情報を入手したとしか考えられない。でも、仮にそう言う手順であるならば、その担当者って守秘義務違反で罰せられないのか? 周辺取材をして、情報の断片をつなぎ合わせて実像の輪郭を作成し、それを当事者に見せて裏を取る、と言うのが取材方法の基本だと思うけれど、なんかそう言う方法で元の調書を入手したという感じではありませんからね。

今後政府が調書を公開し、誰もがその内容にアクセス出来るようになったときに、朝日新聞なり産経新聞の「記事」に間違いが有った場合、それぞれはどう言う態度を取るのだろうか。まぁ朝日新聞は、その記事をまず「真実」と直って、30年くらいしてから「取り消しました」というだろうけど。元々信頼感なんて言うものは感じないメデイアだけれど、例の従軍慰安婦の取消騒ぎの前に掲載したこの吉田調書の話し、実は「しまった」と思っているんじゃ無いだろうか。当然両者を比較して世間は批判するだろうし。

公平に見て、吉田氏の回答部分を見ていると、確かに曖昧な所もありますし、理由はどうあれ所員が福島第二に移動したということも事実ではあるんですよね。ただ、朝日新聞の記事のように、放射能の恐怖から逃走したみたいなニュアンスは感じられない。なんか、朝日新聞のいつもの方法のように、実際のデータや言葉の中から自分の都合の良いところを「切り貼り」して、自身の欲している方向の内容に「仕立て上げている」という印象がぷんぷんします。こちらの記事の方が先に公開されていて、従軍慰安婦報道の取消は後から発生したわけですが、何か墓穴を掘っている気がします。

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