2014年7月22日

「捨てる」を「拾う」ビジネス

佐川急便が、小型廃家電を段ボール箱1箱900円で回収する事業を始めるという記事。どの程度の大きさの箱なのか分からないけれど、確かに自治体の廃品回収や粗大ゴミ回収の代わりに利用出来るとなると便利そう。勿論、既存の廃品回収業者とかリサイクル業者などもあって、そういうところを利用する方法もありますが、「手軽さ」とか「気持ち的なもの」を考えると、自分で廃棄したいものを荷造りして馴染みの宅配業者に渡すというのがよさそう。問題なのは、中身をどの程度まで入れて良いのかと言う事と、どんなものまで許されるのかということ。家電リサイクル法とかとの絡みもあるんだろうけど、個人的にはこういう廃品とか不要品の回収ビジネスをもっと手軽に利用することが出来るようになれば、そこから新しい家電とか備品購入に繋がり、経済の活性化にも多少なりとも役立つんじゃ無いかと思っているんですが。

実際私も、捨てたい家電とかAV機器が幾つもあって、そのうちに廃品業者に渡そうとかリサイクルに持っていこうかとも思っているものの、なかなか面倒くささもあって手が動かないですよね。多少ならお金を払ってもいいから、こういう物をこちらの津後の良いときに一気に処分してくれると非常に助かります。私の子供の頃なんかは、今の燃えるゴミとかペットボトルの日みたいな感じで「粗大ゴミの日」があって、その日にはそれこそ机とかタンスとか大物からテレビからラジカセからの家電製品まで山積みになっていて、大きなトラックが回収に来ていたりしましたが、今では事前に申請しないといけないし、一度に出せる量も決まっているからちょっと面倒。

大量消費社会は無駄を有無だけと非難されることもあるけれど、とは言っても生活備品や家電製品もある程度のサイクルで新陳代謝を促していかないと経済システムも回りません。最近では、デパートや量販店なんかも少し活気が出てきた印象が有り、特にデパートなんかでは高級品の売れ行きが伸びていると言う事は、消費者の購買意欲は旺盛なんですよね。で、その旺盛な意欲を刺激するには、捨てる物を拾って処分してあげて、新しい物を購入する「余地」を作るビジネスって重要だと思います。勿論、今の世の中では「断捨離」という事も重要なライフスタイルになっているから、それと結びつけても良いんじゃ無いかと。例えば「捨てるだけ」なら有料で引き取るけれど、「捨てて入れ替える」なら、その商品購入のクーポンを渡すとか。

日本人の感覚からすると、「捨てる」というのは多分抵抗感のある行為の一つじゃ無いかなと思います。「捨てる」のは最後の最後の手段で、それまでは直しながら、我慢しながら使い続けて行くのが日本人の美徳、だと。ただ、昔の「捨てる」は本当に廃棄処分にすることがほとんどでしたが、今の「捨てる」はちょっと意味が違っていて、自分の「手を離れる」という意味もありますよね。リサイクルなんて言うのはその典型だし、特に家電関係だと「都市鉱山」じゃ無いけれど、希少金属やその他の貴金属類等の回収技術も進んでいるので、基の姿は消えるけれど、そこからさらに再利用可能な素材が回収されて新しい製品になっていくサイクルが確立されつつあります。だから、「捨てる」ものを「拾う」ことも新しいビジネスになってきているはず。このあたりの意識の変化と、回収スキームを整理してあげたら、日本の経済システムって、もっとエコで効率的な物になるんじゃ無いだろうか。経済活動とても刺激になりそうだし。そんなことを感じる記事です。

0 件のコメント:

コメントを投稿