2014年7月27日

偽装が偽装?

先日報道された、中国の食肉加工工場での非衛生的な実態ですが、私もこの記事に書かれているように「どうやってあの映像を撮影したんだろうか」という疑問がありました。「潜入取材」というからには、従業員として中にはいっているのだろうけど、それにしては「隠し撮り」という感じの映像じゃ無いんですよね。しかも、普通は作業場所に仮に小型のカメラと言えども持ち込めないはず。さらに、マクドナルドの検査チームに対して「何処の会社」と聞いているシーンがあったけれど、あれだって普通はそんなことを従業員が聞くことは無いでしょう。それだけ、この加工会社のチェック体制や運用方法に不備があり、先週取材した記者でもそれだけ自由に活動できたと言う事もあるかもしれないけれど、逆に工場側としてはそう言うことには敏感になっているんじゃないのか? さらに、査察時には隠しておいた古い食材や問題のある食材を青いビニールに包んで運び込むシーンもあったけれど、そういうものって逆にもっと目立たないようにしておかないのか。

記事の最後には、外資企業叩きという話を書いているけれど、そうで無くても最近の中国の行動で中国から去る企業が増えているときに、そんなことをしてますます中国離れを加速してどう言う利益があるんでしょうね。国内企業優先にするのは良いけれど、競争力や品質の問題で外資系企業にはまだまだ追いつけない部分が多いはずで、それを補うためには外資との合弁や下請けなどでもっと力を付けないといけないはずなのに。

業種は違うけれど、もう20年くらい前に自分の仕事の関係で中国の会社を外部リソースとして使うようになり、その頃は北京とか上海などの都市部でも日本のエンジニアと同等以上のスキルを持ったエンジニアが、日本人のコスト(レーバー)の10分の1位で利用することが出来ました。それがだんだんコスト高になり、さらに安い人材を求めて都市部から内陸部の人材会社を探したりして、内陸部の大都市に移り、それがまたコストアップしてくると、内陸部の中堅都市に進んだりと、どんどん奥地に入っていったけれど、結局今では中国ではコストが高すぎて、他の国や地域の人材を利用するようになりました。食品加工の場合、人材だけで無く材料の調達も重要な要素なので、また違った話になるとは思うけれど、でも食品加工ではタイが昔から日本は利用しているし、今後そっちの方向に移るのだろうか。あるいは、今回の様に明らかに工程管理が甘い部分を徹底的に見直して、厳しい監視体制で作業をモニターするのだろうか。それはそれで、現地の労働力の反発を招きそうだけど。

いずれにしても真実は決して明らかにされない国の話なので、不安があれば利用しない、と言う一番基本的なところで防御するしか無いんでしょうね。

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