2014年2月14日

ビッグデータとバックグラウンドデータ

PCWatch、山田祥平氏のコラムから、やや過激なタイトルである「ビッグデータに死ねと言われた東急」というビッグデータの活用についての話。新しくなった渋谷駅に関しては、個人的に同意(笑)。いゃ、ありゃぁある意味アスレチックというか罰ゲームですよね、乗換は。ただ、今の渋谷駅もまだ開発途中なわけで、旧東急渋谷駅の跡地にJR東日本の埼京線のホーム等が移動してきて、最終的にあたらしい渋谷駅が完成すれば、もう少し乗換なども便利になると言うことですけど、それまでに乗客の氾濫が起こらなければいいのに(マテ)。

ところで、山田氏はこういうビッグデータに対して、さらにそう言うツールにアクセス出来ない人達の「声なき声」にも言及しているわけですが、実はそういう隠れたデータ、個人的には「バックグラウンドデータ」と言っていますが、そう言うものをこれからは効率的に吸い上げて活用していかないと、差別化が出来ないのは事実。今でも、交差点で人の流れを観測したり、店内カメラの映像等を利用して顧客の行動パターン解析等もやっていますが、もう少し主観的な行動解析が無いと、独りよがりなデータになります。行動パターンの解析は今まで通り出来るしてはも、例えば表情の変化も合わせて観測するとか、興奮状態とか視線の移動とか、複数の要素を収拾して総合的に判断出来るようなシステムが無いと、なかなか「声なき声」の吸い上げは出来ません。

例えば、将来的には生体センサー内蔵のスマホとかデバイスが普通に使われるようになるだろうから、そうなるとそう言う自分の生体データを提供する代わりに、契約したモールとかデパートでは割引とか特典が得られるようなインセンティブを付けたら、もしかしたら「声なき声」を効果的に収拾できるかもしれない。それは「声なき声」と言えないのかもしれないけれど、「伝えたい声」と思えば不思議はないだろうし。ビッグデータは顧客が発信した情報を分類解析することで、顧客の要求を詳細化していく手法なわけですが、その発信された情報の裏付けというか、本当に欲してるのか何か作為的なものがあるのか見つけるのはなかなか難しい。勿論、全体の傾向とか見れば、そこに何か有意的な背景を知ることも出来るだろうけど。

一方で、発信されたデータを元に企業側は対応する事になるので、ある意味「後手の対応」なんですよね。だから、声なき声を拾って仮に必要なものが提供されたら、それってユーザーの半歩先、一歩先を行った対応になるわけで、付加価値は高いと言えます。無意思のうちにそう言う対応をしてきた商品、例えばSONYのWALKMANとかAppleのiPod/iPhoneなんかがいい例ですよね。コラムの最後にも書かれているように、ビッグデータは今効率的なビジネスツールではあるけれど、それが全てでは無いし、正確に世の中のデマンドをモデル化しているわけでは無い。逆に、もしかしたら声なき声のユーザー層から見ると、声の大きい人が優先されて、迷惑なことになるかもしれない。ビッグデータは暫くは有効なツールではあるけれど、その先だけてなく背景についても目配り気配りするビジネスモデルを考えないと、これからの競争には勝ち残れないですね。厳しいけれど、面白い、と思わないと。

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