2013年12月8日

反論にならない反論

秘密保護法の採決を控えたこの週末、朝のワイドショーでもその賛否を色々取り上げていて、それは国民に知らせる目的としては大切だとは思うけれど、その中で使われた「こんな問題ある例」が余りに酷くてちょっと呆れてしまいました。自衛隊に勤務する父親を持つ子どもが、友達と話をして新しい戦闘機の話題になり、父親なら何か資料を持っているかもしれないから父親の鞄から資料を出したら、秘密保護法違反になる、みたいな。

まず父親がそんな資料を自宅に持ち帰ること自体が、秘密保護法以前にアウトでしょう。さらに、子どもが新しいことに興味を持つことはあり得ることだけど、だからといって父親から秘密を出そうと言うことを考える実行するとしたら、それは親の責任でしょう。つまり、秘密保護法以前の守秘義務であったり、取り扱いの適切さであったり、家庭内の教育の話なのに、いつのまにか秘密保護法の悪い例として作り上げられている気がしました。

賛成の人もいれば反対の人もいるのがこの世の全ての常だから、反対行動自体は良いと思うけれど、出も反対を言う人達は「昔の軍国主義が戻る」とか「知る権利の否定」という抽象的な話ばかり声高に言うだけで、どこが問題だからこういうことが生まれると言う具体的な話ってほとんど聞かれません。賛成意見にしても、もっと具体的な話を聞きたかったと言うことはありますよね。例えば、他国の例と比較して問題の有無を示すとか、過去どの様な問題があったからこういう法律が必要なのかとか。

いずれにしても、今回の法案は与党だけでなく、野党であるみんなの党や維新の会の意見も取り入れて修正されています。でも、もともとのこの法案の言い出しっぺである民主党は、自らの意見集約すら出来ずに、それをもって「協議不足」とか言っているけれど、それって締め切りすぎているのにまだ現行出していない作家さんの我が儘みたいな気がする。全ての情報を開示することは必要だとは思いません。個人にしても、家族にしても、あるいは組織にしても、守らなければいけないことは多々あるわけで、それが国家レベルになればもっと増えるだろうと思うから。「知る権利」を振りかざして迫るメディアにしたって、過去に色々合ったわけですし。だから守るべき事は守るとして、どこにその線引きをするのか、どの様に検証して適切な時期に公開するのか、そう言うルールをちゃんと明確にすべき一番の事柄だと思うのに、そんなことはそっちのけで「反対」だけを叫ぶのは、熱狂するのは一部の人達だけで、多くの人にとっては、「あぁ、またいつもの人達が目立ちたがっているよ」と冷めた見方をしているだけでしょうね。

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