2013年12月2日

入社試験料

ニコ動のドワンゴが、2015年春採用の入社試験で2525円の受験料を徴収するという記事。多くの有望な人材を集めたいという企業側としては、出来るだけ沢山の応募者を集めたいから、これまでは「受験者優遇」の傾向が大きかったと思いますが、それとは逆行する設定。ネットでも賛否両論あるみたいですけど、個人的にはこう言う企業が出てきても良いんじゃ無いでしょうか。

就職試験というと、自分達の世代(1980年代)では、大学四年生の春頃からスタートして、夏休みがピークで内定が出て、10月の解禁日当日にその企業の説明会に出席すると「内定確定」という状況でした。今は3年生のこの時期にやるんですよね。昔は、自分達のスケジュールでも靑田刈りとか言われて批判されていたけれど、それよりもさらに早いタイミングになって(少し前はもっと早かったのかな)いるのはちょっと不思議。

自分達の頃は4月1日に一斉入社というのが常識だったから、それが普通だと思っていました。社内教育等も考えると、一度にまとめて教育出来て、配属なんかもまとめて出来れば、多分人事などは楽だろうし。でも、そう言うことも企業として組織として余裕があれば問題無いけれど、今のように厳しい時代では直ぐに即戦力が欲しいとか、時期によってもっと速く欲しい・後で欲しいと言う事も多々あるだろうし。一斉採用、終身雇用制にもメリットはあると思うものの、企業活動がどんどん流動的になり変化していきさらにスピードアップしている現代では、新入社員採用というよりは、目的や計画に合わせたリクルーティングというような視点を変えて、新規人材も採用するし、経験者も必要に応じてどんどん採用するような仕組みにしないと、多分企業・組織として伸びない時代になっていると思います。

そこで難しいのは、短期の業績を考えればある程度の経験者やスキルのある人を採用したいけれど、それはコストアップにもなる。会社としては、将来を支えてくれるような人材を採用して経営を安定させたいし、コストのことを考えると若い人材も採用して、新陳代謝も考えないといけないし。ただ、自分の周りの様子も見て感じるのは、今は会社側もかなり本気になってきていて、良い人材を取りたいと言う事は変わりないけれど、昔のように「日本の大卒」とかいうこだわりが消えてきていること。日本の大学を出た海外からの留学生は勿論、海外からの採用だって増えてきています。大学生の就職率って、上がってきているかもしれないけれど、もしかすると日本人の卒業生にとってはそれほど楽になっていないかも、と感じる位。さらに言うと、昔のように何でも国内で製造したりしていた時代は終わっていて、国内で作るなら相当の付加価値が無いと生き残れないし、日本の企業と言えども主戦場はどんどん海外に移ってきていること。だから、自分達の時代と比べて、新入社員と言えども自分達の時代で言えば3年とか5年位の修業時間を一気に飛び越えたくらいのレベルの仕事を、今は最初から期待されている気がします。その分、学生さん達も気を引き締めないと、あっと言う間に挫折するかも。そう言う厳しさを少し感じる意味でも、このドワンゴの有料受験制度っていうのは一石を投じることだと思います。

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