2013年9月9日

プレゼンスキル

2020オリンピック・パラリンピック東京招致確定から一日が過ぎ、いろいろと感動的な場面が何度も繰り返されています。昨晩はテレビを付けて招致の様子を見始めたのが朝の04:00頃からだったので、実際にどんな感じでプレゼンしたのか分からなかったんですが、今回何度か見てみて、あぁよく練習していると思うと共に、まだぎこちなさはあるけれど自分の言葉で伝えようという気持ち・雰囲気が伝わったのが良かったんじゃ無いかと感じる内容でした。

その中でも、やはり高円宮妃久子様は別格ですね。最初のフランス語でのスピーチといいその後の英語でのスピーチといい、話し方だけで無く、スピーチされる時の雰囲気・物腰・風格・服装すべてから、「あぁ、"Royal Noble"って、こういうことなのね」と実感した次第。これから組織される実行委員会の名誉総裁になっていただきたいくらい。

もう一人印象的だったのは、招致団代表の竹田恒和IOC理事。最近では、ご子息の竹田恒泰氏のメディア露出が多くて知名度が高かったけれど、今後は親子揃ってのメディア登場が増えるかも。で、海外経験だけで無く、国際オリンピック組織や色々な組織での経験があるからでしょうね、プレゼン慣れしているというか安心感に満ちあふれていて、だからこそIOC委員にとっても最後の一押しとなったと思います。英会話能力とよく言うけれど、発音とか文法の正しさ流ちょうさも重要だけど、やっぱり場に飲まれない逆に相手を自分のプレゼンに引き込む力っていうのは、場数を重ねて経験値を上げていかないと駄目ですね。

安倍総理のスピーチも、いかにもスクリプトを一生懸命覚えて指導されたように強弱を付けて話という雰囲気だったけれど、表情が良かったですよね。日本語で質疑応答する場面なんかも見て感じたのは、これまでの安倍総理の話し方って、どちらかというと少し早口で、繰り返しが多い気がしていたんですが、今回のプレゼンや質疑応答の場面では、出来るだけゆっくりと一語一語言葉を句切って話しをするように意識しているように感じられました。一つは、予め準備した想定問答集が有るだろうから、そこに示された答えを過不足無く伝えるという事だと思います。もう一つは、日本語で話をするとき、どうしても同時通訳が入るから、それも考えて少しゆっくりと言葉と言葉の間に余裕を持って話をするようにしたのかな、ということ。同時通訳じゃ無いけれど、私も外人さんも含めたミーティングで通訳みたいな事をやらされる時があるけれど、翻訳する間というか、適当な部分で区切りが無いと、どんどん話が進んでしまって大変なんですよね。

もう一つ安倍総理のスピーチで良かったかなと思ったのは、強調すべき部分ではちゃんとアクションを入れて体全体でキーポイントであることを主張していたこと。余り多すぎてもしつこいし、何もしないのもつまらないし、終始にこやかな笑顔と相まって、非常に良い印象を与えたんじゃ無いでしょうか。多分、今回安倍首相が最終プレゼンに参加して、そのことでIOC委員や他の関係者が聞きたかったのは、福島も含めた安全と安心に対してのコミットメントだったと思うんですよね。実際には、???と思う部分はあるにしても、総理として国の責任者としてコミットした以上、これまで以上に福島に対してもコミットするということですから、その責任もこれから注視していかないといけませんね。

たまたまNHK BSで、ノーカットでプレゼンの様子を流していましたが、あれって英語の教材として凄く良いんじゃ無いだろうか。英語としては決して流ちょうでは無い部分もあるけれど、プレゼンテーションの目的は何かと考えたら、こういうことだという良いサンプルだと思います。著作権とかあるんだろうか。どこかに登録して、教材として使えるようにしたらいいと思うなぁ。是非。

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