2013年3月3日

政治とダンディズム

朝日新聞に掲載された、麻生副総理・財務相のG20参加時のスタイルについて。この新聞らしく、最初は誉めているんだけど、最後の最後に意味の分からない落とし穴的否定意見で締めくくるところは流石。文中、「ダンディズムとは目立たないこと」と書かれていて、それは狩猟用の服装から生まれた歴史からいうと正しいんでしょうね。まぁ、ああいう席でああいう服装をしたら、何を着ても目立ったように思うけれど。で、衣装論・服装論としてそこで終わるなら分かるんだけど、

「それに今回のG20では、日本の円安傾向をなるべく目立たないようにして各国からの批判をやり過ごすことが求められていたはずだ。」

という意見に繋がるのは変。まず、G20で日本の円安に対して何か言われることは事前に明らかだったわけで、目立たなければ何も言われないというのは逆。仮に、そこに日本の存在感が無ければ、欠席裁判じゃ無いけれどこれ幸いと日本に責任をおっかぶせるような意見が出てくる方が普通でしょう。だからこそ、日本はより強く自国の状況と意図を説明して、理解と協調をあの席で獲得しない蹴ればいけなかったはず。それに、あの麻生副総理の服装が効果を発揮したかどうかは不明だけれど、少なくとも彼の強い性格がそれなりに説得力を持ったんじゃ無いだろうか。何かファッションショーの様な場所であれば、服装とか出で立ちであるとか、そう言うものが目立つ・目立たないということはあると思うけれど、G20のような国際的な会議・政治の場では、服装以前にその人の持つ性格・発言力・行動力がその場を左右するわけで、ちょっとピント外れというか、無理繰り感を感じるコラムだな、と。

で、さらによく分からないのが、最後にVANの石津謙介氏の話を出して締めくくっていること。氏のファッションスタイルが目立たないけれど長く愛用されている上質なものという点には異論は無いけれど、それがそこまでの話とどう繋がるんだろうか。目立たないというキーワードだけで結びつけるのは、かなり強引な気がするし。正直なところ、自分の好みと比較すると、当時の雑誌等で見た石津氏のドレスアップした服装はちょっとToo Muchな気がするんですが、「目立たない」と言うことと「自分の主張をする」と言うことは別の話だと思うんですよね。そう言う意味で、石津氏のコメントと麻生氏のスタイルは一致しているし、何となく筆者だけがそれを曲解している気がする。

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