2013年3月8日

地震予知

産経新聞に掲載された、地震予知に関してのインタビュー記事。日本の地震予知の代表と言っても良い、地震予知連絡会の平原和朗氏と、地震予知に否定的な東京大学のロバート・ゲラー氏。阪神大震災に東日本大震災と、地震予知研究を裏切るような震災が発生しているから、研究者としてはどうしても一歩引いた話になりますよね。それに対して、以前から余地に関しては否定的なゲラー氏はそれ見たことかという感じだけど、この人は何時もこんな感じだしなぁ。

地震予知に関して言えば、それが自然現象である限りは、再現するモデリング作りはかなり難しいので、どうしても「予測」というよりは「推測」レベルですら難しい。今回M9クラスの震災に遭遇して、国民の意識も高くなっているけれど、これだってだんだんと風化していくだろうし。ただ、前回の大震災と比べて、時代が進んだ分震災や津波の映像にしても記録にしても、膨大な量の記録が今回残されています。次に同様の災害が発生するのは何百年後なのか何時なのか分からないけれど、でも昔の記録が古い文書だったり石碑に刻まれたものだったりという少ない情報量で目立たなかったことを考えれば、一番重要な事は今回の記録をちゃんと残して継承していくことなんですよね。

もう一つは、「研究」という意味において、地震も含めた地球の内部探査活動は続けるべきだとは思うけれど、一方で地震や大規模災害に対しての耐性というか、心構えを持つことがやはり大事だなと言うこと。例えば、町内会等の小規模な地域、あるいはマンションなど建物単位で、自家発電機能や自給機能を備えて、万一の場合でも一週間程度の自給生活が可能なようにしておく事の必要性は、今回の震災で得られた最大の教訓じゃ無いでしょうか。個人的には、太陽光発電を原発の代替発電にするのは無理があると思うけれど、万一の場合の補助電力として装備することは悪くないと思うし。ただし、仮に寿命が20年として、その間に何も災害が無かった場合に、20年後に新規太陽光発電設備に更新するかどうかは、微妙だと思うけれど。でも、そう言うことの繰り返しが、100年後、何百年後の備えになる訳なんですよね。

日本の諺に「備えあれば憂いなし」というのがあるけれど、100%全ての事に対して準備するなんて無理。仮に準備しても、それが100%対応出来るという保証も無い。勿論、人間何かあった時に生きていくために必要な物理的な準備(水、食料、エネルギー、衣服、情報収集能力、etc...)は必要だけど、結局一番大事なのは常に心構えを持っておくこと、と言う事なんでしょうね。そう言う意味で、平原氏は言ってみれば物理的な準備に相当するし、ゲラー氏は精神的な備え、と言うことなんでしょうね。

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