2013年3月10日

腑に落ちないコラム

朝日新聞のコラム「天声人語」。いろいろと分次を醸すことが多いこのコラムですが、その3月9日掲載の内容もちょっとアレな内容。1945年3月10日の東京大空襲の記憶を前振りに、B29の爆撃の話を出し、その「B29」を最近の若者は鉛筆の事だと誤解すると無理繰りな展開。いわゆる「盛った話」だなぁと思う理由は、鉛筆の硬度表記は数字が先だから。2H、3H、あるいは2B、3Bというのが鉛筆の硬度表記。このコラムの筆者の年齢や背景は分からないけれど、新聞社内の論説委員が執筆しているという話なので、少なくともそれなりの期間マスメディアで仕事をしてきた人のはず。今は原稿書きもワープロ、パソコンなのかもしれないけれど、昔は鉛筆でメモした事が多々あったはずで、その割にはお粗末な話の展開ですよね。

仮に、「B29」から鉛筆を想像するなら、「B787」とか「B777」とかからも鉛筆を思い出すのだろうか。

で、このコラムの嫌らしいのは、そう「???」な展開をした直後に「話半分に聞くにせよ」とちゃんと言い訳を用意して予防線を張っていること。そんな不確かなことを前提に重要な話を展開していいのか? 責めて「我々のような鉛筆世代には信じられないけれど、」とか、もう少しまともな言い訳をしろよと小一時間。新聞のこういうコラムとか社説なんていうものは、昔は意義深いありがたい内容が書かれていたから心して読まなければと思っていたけれど、ネットリテラシーや情報リテラシーを持ち始めると、まずは「何が裏にある隠れた意図なんだ」というところから注目するようになるので、結果的に結論として良いことを言っていても、そこまでの起承転結に嘘とか無理があると、その結論のありがたみ重要さも消えてしまいますね。プロなら、そういう部分もちゃんと組み立てて欲しい。

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