2012年12月20日

マスコミ

Business Media誠の記事から、再登板する「安倍氏」へのマスコミのバッシングについて。3ページ目のマスコミの話は全く同感で、3年前の同じような状況の時には諸手を挙げて歓迎したのに、今回は全く否定的。特に笑ってしまったのは、自民党の比例得票数が低いと言う話で、実は前回の民主党政権交代の時にも比例区の得票率は、民主・自民でそれほど違いは無くて、全体の得票率では確か数%の違いだったはず。それが小選挙区という総取り方式の為に、多くの議席が民主党に流れたわけで、それを「民意」と当時のマスコミは言ったわけです。で、今回はその逆の結果になったわけで、確かに民主党の「一人負け」状態ではあったけれど、議席数ほどの差は無かったのも事実。でも、少なくとも議席獲得の結果では自民党が大勝したことも事実で有り、それを前回の結果に当てはめれば、それが「民意」のはずなのにほとんどのマスコミは「いゃ、これはシステムの問題で民意は必ずしもそうでは無い」みたいな事を言っている。

今回は「第三極」と呼ばれる小党乱立状態であったから、前回の時時状況も違うわけで、そう言う意味では維新とかみんなの党とかに流れた票も多く、単純に民主vs自民という構図では語れないけれど、それでも大雑把に言えば、自民は元々の基盤に多少民主党への失望票を取り込み前進し、民主はオウンゴールで大量失点し、その分は維新とみんなに流れた、というのが今回の状況では無いだろうか。本当は、旧態依然とした自民でも、口だけ番長の民主でも無い、新しいシステムを期待したいのだけれど、維新にしてもみんなにしても、そこまで信頼するにはまだ実績もないし不安もある、と言う結果でしょう。これが中選挙区だとまた違ったとは思うけれど、終わった後で後出しジャンケンで言っても仕方ないし。

先日も、某夜のニュース番組で、ねちっこい陰気な話し方をするMCがねちねちとつまらないことを話していたけれど、彼らは一体何をしたいのか、よく分かりませんね。少しでも日本が良くなるように、悪い中にも何か期待の持てることを掘り出したいのか、あるいは勧善懲悪で悪いことを先ず直せと言いたいのか、あるいは単に自分の気にくわないことに不満なのか、何か見ていて不愉快になる内容でした。

よくマスコミは「(司法、立法、行政に次ぐ)第四の権力」と言う言い方をして、それ故にマスコミと言うものは、これらの特に「政治」の部分を監視する役割があるという言い方をします。確かに、それら基本三権のお目付役と言う立場もあるとは思うけれど、この「第四の権力」と日本語で言われる元々の言葉は「the Fourth Estate」というもので、実は「権力(=Power)」ではなく「地位・立場(=Estate)」とのこと。日本で言えば、江戸時代の身分序列「士農工商」に続く、「士農工商瓦(瓦版=当時の新聞)」となれば、「The Fifth Estate」とでも言うべき意味らしい。当時のヨーロッパでは、「聖職者、貴族、平民(その他)」という構成だったので、それに続く地位の人と言う意味から生まれた言葉。だから、もともとの三権に対しての第四の権力という意味は無かったけれど、しかし時代が進みマスメディアが情報基盤となるにつれて、影響力も強くなり「第四の権力」という意味も使われるようになったとのこと。

でも、今の様子を見ていると、確かに第四の権力と言っても良いくらいの力は持っているけれど、立法府や行政府と同様に問題も多く抱えている「地位」になっているなと強く感じる次第。だから、ますます情報システムが発達していくうちに、2chとかニコ動とか、あるいはTwitterとかSNS系のツールがどんどんマスコミの主要な機能を置き換えていって、結局本来の「情報伝達」という部分を奪われつつある彼らは、以下に視聴者の興味を引くかという「味付け」に走るわけですよね。理由は、「視聴率」が彼らのエネルギー(利益)だから、より多くの人を常に周りに囲い込まないといけない。だから、一人当たりの良い人気の出そうな内容に走るわけで、これって政治で言えば「衆愚政治」そのもの。だいたい、本来そう言うことには無関係なはずのNHKですら、「何か偏ってないか」と感じることがあるくらいな訳だし。そこに経済堤理由があることも理解するけれど、でも「マスコミ」って何なのかもう一度考え直して欲しいなと強く感じる、選挙の後です。

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