2012年11月9日

ニーズの掘り起こし

閉塞感が未だ消えない国内市場に対して、これからの大きな伸び代が期待出来る新興国・欧米に打って出て成功している日本商品の記事。良く日本商品は「過剰品質だからだめ」と言われるけれど、正確に言えば「ニーズのミスマッチ」なんですよね、結局は。20~30年前は、日本製品の高品質商品か、それまでの欧米製の普通の製品しかなかった。ところが、韓国が「そこそこの品質で安い」商品開発をして展開してきたから、当然中間層としてはそこに飛びつきますよね。少し前の韓国製品って、見た目の派手さが中心で、後は「安くてそれなり」という認識だったけれど、最近のものは安いしそれなりに品質もアップしているし、一番は現地のニーズに合わせて、ある意味節操の無さすら感じるような製品開発をしていて、結局それが「広く浅く」ものが売れる理由だったりします。

日本もそれを追いかけるのも良いけれど、でもそのマーケットって、もう数年もすれば中国が取る場所だから、今更そう言うレイヤーを狙っても無駄。やはり、日本はその形成されつつあるレイヤーの一つ上を狙って、「高品質高仕様」とも言うべき部分を狙うべきでしょうね。

記事の中で、日本のマヨネーズが人気とリストに出ているけれど、日本のソースも海外に出したら受ける気がするんだけどなぁ。ウスター、中農、とんかつ、のうち、ウスターソースなんて今の醤油以上に人気が出るんじゃ無いだろうか。それに合わせて、日本の「揚げ物文化」なんかも受けそうな気がするんですけどね。衣まで付けて冷凍食品にして、油で揚げるのでは無く、レンジでチンあるいはオーブンで焼いて出来上がりという感じで。それなら、欧米人が気にするカロリーも少ないだろうし。カニクリームコロッケとかエビフライとかメンチカツとか、あと私は嫌いだけど牡蠣フライとか、そこにウスターソースを合わせたら、第二の日本食ブームが生まれるかも(笑)。問題は価格だろうけど、結構欧米はフルーツも豊かだから、現地生産しても良いんじゃ無いかな。

1960年代の高度成長の時、日本人が作る日本の製品は、日本人の好みに合わせて徹底的に磨き上げられたので、結果的に高品質高機能な製品に成長して、それは世界でも受けたわけですが、それって、言い方は少し悪いかもしれないけれど、文化や生活レベルが同じくらいの欧米というマーケットがあったから、と言っても良いんじゃ無いかと。それに対して、低所得者層から中間層が形成されつつあるような新興市場にたいしては、Too Muchな製品=日本製品、という図式になってしまったわけですね。でも、もともとの「日本製品の秘密」とも言うべき事は、結果的にユーザーニーズをちゃんと取り込んでいった製品を作ることだったわけで、そう言う意味では今からでも遅くないからもっと世界のマーケットに目を向けないと。まだまだ、チャンスはいくらでもあります。後は、やるか、やらないか、だけですよね。

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