2012年11月27日

卒原発とリテラシー

「反原発」「脱原発」に続いて、今度は「卒原発」。廃炉までの期間の差はあるにしても、既存の原発施設を廃止していくのは良いのだけれど、その大体昨日はどうするのかという肝心の話は聞いた記憶が無い。現実問題として火力発電に移行するしか無いのだけれど、その燃料費増加による電気料金値上げも頭の痛い話になっています。折角円安になってきて、国内企業も一息付けるかと思ったところに、今度は電気料金のアップでまた厳しい状況に。

将来的には、新しい技術が登場して、今の原発を置き換えることも可能だとは思うけれど、でもその前に今日・明日という身近な将来の心配を先ずしないと行けないわけで、その為には先ずは既存の原発再稼働をして、経済と産業活動と一般生活の安定を先ず確保し、その後で順次原発に変わるエネルギー政策を進めれば良いのに。「いゃ、福島第一の事故がまた発生したらどうする」と言われるかもしれないけれど、直ぐ近くにあった福島第二や東海は何とか持ちこたえたわけですからね。まだ完全には解析されてはいないかもしれないけれど、少なくとも全電源喪失時でも冷却できるような、ディーゼル発電機の設置冴えすれば、福島第二のように最悪の状況は避けられるだろうし。そう言う準備をした上で、まずは次の定期点検までと言うような短期期間だけの再稼働でもすべきじゃないだろうか。実際、昨日は東京電力管内ではかなり厳しい状況になったようで、今週はこれから寒さがぐっと厳しくなるわけだから、まだまだ厳しい状況は生まれるわけで。

確か小泉郵政民営化選挙では、「郵政民営というシングルイシューで選挙をするのはけしからん」と言うことを野党は行っていたと思うのだけれど、「卒原発・脱原発」というシングルイシューは良いのだろうか。単に原発を止めればお仕舞いという話では無く、廃炉に至るまでの30年、40年という行程もあるし、その間の経済活動をどう担保していくのか。そうで無くてもデフレ脱却が最重要課題である時に、それに逆行するような話って変ですよね。経済活動に影響しそうな、消費税増税反対を言いつつ、それとは反対の方向になるであろう脱原発・卒原発も同時に進めると言うことは。

民主党への政権交代は、実に大きな回り道で無駄な事だったと今更ながらに思うけれど、それでも重要な事を肝に銘じてくれたことは有意義だったかも。つまり、「うまい話には裏がある」ということと。「マニフェスト」とこじゃれた名前に引かれて、中身も「16兆円の無駄を省く」とか「無償化」とか「優遇」とか。結局何も出来ずに「画に描いた餅」に終わったわけで、ほんとオレオレ詐欺みたいなものでした。だから、この「脱原発」にしても「卒原発」にしても、その言葉は確かに美しいし理想的ではあるけれど、「その裏」には何があるのか、まずは疑って掛からないと。それは、例えば「2%のインフレターゲット」にしても同様だし、消費税増税」にしても同じ。今の世の中、いろいろな情報が氾濫している中で、何が一番重要かというと、その情報を「疑う」ことだと思っています。疑って、その真偽を自分なりに判断するために、さらにいろいろな情報に接して自分の答えを見つけること。他人の答えと同じ答えになるにしても、「誰某が言っているから」という消極的な理由では無く、「これとこれの理由から、自分はこう考える」という個人の意見をちゃんと確立することが、今の時代では一番重要なわけで、そう言う意味では乱立し、離散集合を繰り返す今回の選挙は、自分のリテラシーを高める絶好の機会かもしれませんね。

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