2012年10月16日

怖いシンボルマーク

超党派議員による「原発ゼロの会」が、同趣旨に賛同する認定議員に付けて貰うためのロゴマークを作ったという記事。日本では、自分の主義主張を述べることは自由であるし、何らかのトレードマークやロゴマークは団結力を示す1つの手段であるけれど、でも、このロゴマークを見たときに先ず思ったのが「センス無いなぁ...」ということ。

子供達に「クラゲ」をモチーフにロゴデザインを募集したそうですけど、凄く恣意的な考えを感じてしまいます。「原発=怖いもの・危険なもの」、だから無くそう、という自分達の主張を表しているわけですが、そう言うネガティブな発想からスタートしているところに胡散臭さを感じます。統一的な意思表示としてロゴマークを作るのであれば、もっとポジティブな内容のシンボルにすべきじゃ無いだろうか。

例えば、この人達は自然エネルギーとか再生可能エネルギーで代替しようとしているんだろうから、それなら風力発電をイメージするような風車とか、太陽光発電なら太陽のイメージとか。それなら、現在必要な原子力発電からどの様にしたいかという主張も表せるわけですよね。ところが、モチーフにしたクラゲは、原発の取水口に詰まって運転の安全のために出力低下させたから「英雄だ」みたいなとらえ方をしている。つまり、「止めること」だけしか彼らの頭の中には考えは無いわけで、その先はどうするかは多分どうでも良いんでしょうね。と言うか、火力発電だって取水口はあるわけで、火力発電もクラゲによって止まる・減速する場合だってあるわけです。つまり、彼らは今のところ原発の代替機能として唯一可能性がある火力発電も否定することになると言うことを分かっているのだろうか。

私は、現状では原発による発電エネルギーは社会組織に置いても経済活動に置いても必要であるし、東北震災による事故についても、非常電源であったり防水措置などを施すことで、今後同様の震災が発生しても管理できるリスクであると考えるので、次期世代のより安全で安価なエネルギーが利用出来るようになるまでは、まだまだ原発による発電は必要だと思っています。その上で、そう言うエネルギーが出来るのであれば、その時に原発のリスクとメリットと比較して不要ならば停止・廃棄すればいいと思っています。仮に、今すぐ廃止・廃炉にするにしても、明日から既存の施設が地上から消えるわけでは無く、これから何十年も掛けて処理作業も必要になります。だから、本当に原発ゼロにしたいなら、まずは代替手段、そして廃棄手段について、「我々はこうすべき」という話もちゃんとしなきゃいけないはず。「専門家では無いから分からない」というかもしれないけれど、少なくともこの会は国会議員が作っているのだから、必要な人間から情報を得るなりして、コンセンサス位は作れるはず。そう言うことすらしないで、こういう作為的なロゴをつくって満足しているのは、「うましか」としか言いようが無いですよね。

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