2012年5月1日

高速物流

高速ツアーバスの事故で、ドライバーが一人だけで長距離運転をさせていたと言うことが指摘されています。一応、ドライバー一人の目安は670km位というものがあるらしいけれど、平均時速80kmとして8時間ちょっとの計算になりますから、かなりの重労働の感じ。このツアーバス事故の話を聞いていて思ったのは、同じように連日高速運送をしているトラックドラバーはどうなんだろうと言うこと。長距離トラックなんて、それそこ九州から築地に海鮮を運んだりとか、多分今回のバスツアーよりも厳しそう。ただ、トラックドライバーの場合は、例えば運転中に音楽をかけたり、また自由に仮眠や休憩を途中で取ることも出来るし、また飲み食いも含めて自分で自由に出来るから、そう言う意味では睡魔防御の方法はバスドライバーよりはあるし、運転は過酷かもしれないけれど対策はあると言えそう。深夜バスの場合、乗客は仮眠を取っているわけだから、そんな中でガンガンラジオや音楽を眠気覚ましで掛けるわけにはいかないだろうし。何時間も同じ姿勢で運転しているバスドライバーさんは本当大変でしょうね。追突防止装置とか居眠り検知器みたいなものは、もう実用化されているからそう言うものを義務づけると言うのも一つの方法かもしれないし、もっとドライバーに厳格な運用基準を適用させるというのも、これから出てくるんでしょうね。運営会社にとっては負担が増えることになるんだろうけど、でも交通機関の最大の要求項目である「安全確保」の為には仕方ないかも。

もう一つ、この事件の話をいろいろ聞いていてなるほどと感心したのが、今回衝突した防音隔壁は薄い板状のもので、それがカミソリの刃のようにバスの左側切り裂いたわけですが、あの手前にガードレースがある、あるいは隔壁の端をガードレールの端のようにカール刺せてあれば、仮に衝突してもあのようにバス内部に侵入せずに、バスを外に弾いて最悪の事態は避けられたかもしれないと言うこと。そう言えば、以前にも端がカールしていないガードレールに車が衝突して、それが助手席から後部座席まで貫通するという痛ましい事故があったように記憶しています。ガードレールも万全な対策ではないけれど、そう言う配慮があれば、仮に事故が発生しても被害者を抑えることが出来そうです。結局は、そう言う一寸したことが明暗を分けるんだろうなと言うことを実感した今回の事件です。直接、車や道路を作っているわけではないけれど、物作りに関わっている一人としては、そういう「ちょっとしたこと」に心を配ることで、より安全に快適に自分の作ったものを使ってもらえるわけですからね。それが大切だと思います。

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