2012年1月6日

スマホとPCの関係

金曜日恒例、PCWatch山田祥平氏のコラムから、今回はスマホとPCの関係についての。山田氏や自分などは、ほぼ日本に「マイコン」が登場した頃に高校生とか大学生の頃で、その魅力にとりつかれ、以後いろいろな機会でPCやデジタルデバイスに関わってきた世代だから、どうしてもパソコン前提の経験値が集まっています。だから、スマホにしてもタブレットにしても、あるいは過去登場したようなシステム手帳とか電子手帳、あるいはWorkPadのような携帯デバイスの先駆けみたいなデバイスにも、まずは飛びついてみるけれど、結局それらの能力や機能を上回るシステム=PCを超えるものではないため、最後には再びPCに戻るという、中々出口に出られない双六をずっとしている状態。ここのデバイス、あるいはガジェットには、勿論PCには無い、あるいはそれを超える魅力を持っているものもあります。ただ、総合的な能力というか機能、それに長年つきあってきた事のしがらみというか、馴染みやすさみたいなものもあり、なかなかPCから離れられないのも事実。実際、最近のUltrabookもそうですが、初期の「移動できるPC」としてのモバイルPCから、その後本当に持ち歩けるB5ノートの時代、さらにA4サイズでも薄型で1kg前半のモデルとか、考えてみるとモバイルPCにしても進化しているわけです。

今のスマホは、CPUのクロックが1GHz以上、メインメモリーが512MB程度、ストレージがSDカードなども入れればGBクラス、さらに画面サイズこそ4~5インチですが、解像度では昔のSVGA程度はあります。これって、2000年から2000年前半のパソコンのスペックと同等以上なんですよね。あの当時に出来たことって、今でもかなりあると思うんですが、10年も立たないうちにA4サイズくらいのものが手帳サイズにまで修練されたというのは、ハードウェアの進化に慣れているこの業界で仕事をしている一人としても、結構驚きです。 演算処理装置しての差は、PCとスマホに関してはほとんど無いと言って良いと思います。

ただ、唯一スマホが追いつけないのが、そのサイズの制約もありますが画面の解像度でしょう。PCは、一時期の高解像度路線は最近はなりを潜めたけれど、それでも自分が今使っているThinkPad X201sは1440×900ですが、最近の一般的なモデルなら1366×768と言う解像度が標準。一方でスマホに関しては、高解像度モデルもあるけれど、まだこれらPCの半分程度の解像度。技術的には、同等くらいの解像度のパネルを作る事も出来るんだろうけど、サイズに対してありに小さくなりすぎて表示しても意味がないし。綺麗なグラビアの雑誌を、内容も印刷品質も全く同じにして、でも大きさは文庫本サイズにして製本してみると、内容的には全く同じでも読むときの魅力が半減してしまうように、やはり物理的サイズに依存する価値みたいなものも重要だと思います。そう言う意味では、PCがタブレットタイプに移行することはあっても、スマホとの境界線はこれからも残る気がします。

じゃぁそのPC=タブレットとスマホの境界線は何だと聞かれれば、本体のサイズだと思っています。ジーンズのポケットに入って手ぶらで持ち歩けるのがスマホ、それ以上の大きさで手持ちでも良いけれど基本鞄などに入れて持ち歩くのがタブレット、というのが自分なりの今の定義。デジタルデバイスとしての機能は、多分どちらも同じになるだろうけど、結局日々の生活の中で自分(=ユーザー)との密着度の違いで、今のスマホとタブレットの境界線が生まれてくるんじゃないかと。勿論、将来的には今あるウエアラブルコンピュータのような形で、HMDで画像が提供されるようになれば、このサイズの話も無意味になるので、そう言う時代になればまた違う定義が誕生するでしょう。それって、今の携帯デバイス・デジタルデバイスに於いて、視覚情報が非常に重要でウェートを占めている証拠でもあると思っています。

話が発散してしまったけれど、2012年はスマホの爆発的ブームの年になりそうな気がする一方で、コラムにも書かれているようにビジネスツール・ライフツールとしてPCというプラットフォームが再認識される年にもなりそうだと思っています。そうなると、魅力的なスマホ、機能的なPCという単体での訴求ではなく、スマホとPCとその他のツールも含めた、自分の生活に溶け込むシステムみたいな訴求が出来ると美味しいんですけどね。そこで重要なのは「ネットワーク」であることは言うまでもなく、その部分を握っている企業、活用できる企業が今年どの様に頭角を現すのか、個人的に興味のあるところです。

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