2012年1月24日

日立、テレビの国内生産から撤退

昨日の三菱化成の撤退に続いて、今度は日立が自社テレビ製品の国内生産から撤退するという記事。自分の仕事でも「製造」という部分に関わりがあるので、日本の中で価格競争が厳しい分野の「もの」を作ることの難しさ厳しさはよく知っているので、その選択は間違っていないと思うものの、これまで日本の主力製品の一つであった「テレビ」がまた一つ海外に出て行くのは、やはり寂しいですよね。ただ、これからの「物作り」「製造」という仕事を考えると、外に出せる仕事は出来るだけコストダウン・納期短縮等のメリット享受のために外に出し、自分のところ・国内では差別化付加価値作りの出来る部分の開発や仕込みと言うことに集中しないと、世界レベルでの競争には勝てないし、それはイコール国内の競争にも勝てないという時代なのは確か。

例えば、農作物なんかは、その土地の状況とか天候・気候等に依存する部分が大きいので、例えば家電製品のように「製造(生産)外部委託」するというのはなかなか難しいと思うけれど、最近では流通システムが発達してきたから、意外な場所から輸入する事も可能だし、逆にオーストラリアのそばのように、日本とは逆転している季節を利用して、日本のオフシーズンに旬の食材を日本に持ってくるなんて言うことも可能になってしまいます。農作物ですらそういう時代だから、より地勢依存性の無い家電製品とかデジタル製品なんかは、もう殆ど人件費と流通費だけで、いまは拠点決定されるような状態ですからね。

日立にしても、「テレビ」販売から撤退する事はまだ無いみたいだけど、「テレビ」に拘らず「映像端末」というか「ビジュアルインターフェスデバイス」みたいなものって、これからどんどん重要になるはず。要する、単に送信されてくるテレビコンテンツを出すだけのデバイスから、もっと付加価値の高い映像コンテンツ配信するようなデバイスをこれからは作るというような発想の転換をして、是非あっと言うような製品を作って欲しいなあ。それが日本の家電・デジタルメーカーの生き残る道だと思います。

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