2011年4月13日

太陽光発電の効率

福島の原発事故以来、太陽光発電や風力発電など、いわゆる「クリーンエネルギー」がこれまで以上に注目を集めていて、神奈川県知事に今回当選した黒岩氏等は「太陽光発電に切り替える」と言う公約も掲げていたわけですが... 確かに、自然エネルギー、特に太陽光発電は、最近でも政府の補助が出ていたり、エコロジーの中でも比較的参加しやすい部分でもあるので、太陽光パネルを屋根に乗せている家をよく見かけるようにはなったけれど、屋根一面にパネルを敷き詰めたとしても、それで自宅の電気を全て賄える程、太陽光発電の効率は良くないわけです。

静岡新聞の記事で、清水港にメガソーラー発電の施設を作る認可が下りたという話が出ていますが、これにしても約15万平方メートルという広大な敷地にパネルを並べて得られる発電量は8,000kWh。少し前に東京ドームの消費電力が話題になったけれど、ドームの一日の消費電力が5~6万kWhなので1/7位。一般家庭の一日の消費電力が10kWh位とのことなので、となると清水の施設が出来たとすると、800世帯分くらいの需要をまかなうことになるわけです。でも、15万平方メートルと言う広さを考えると、それって効率的? と考えてしまいます。大体100平方メートルが30坪。30坪の宅地と言うと、大体標準的な広さかな。もし、それで家を建てるとすると、取り付け道路とか共通施設も必要だろうから2割増しとして120平方メートルとすると、1,250件分。共用部分をもう少し広く取れば、あるいは一件当たりの敷地面積も少し広げると、800件というのは悪くない数字かも。でも、道路も家も何もかも含めて、びっしりと太陽光パネルを敷き詰めるわけですから、やはり発電効率としては決して良くない気がします。

正直なところ、今回の事故で原発に対してのアレルギーが高くなるのは仕方ないと思うし、これまで以上に「エコエネルギー」「クリーンエネルギー」の要求が高くなるのも自然だとは思うけれど、単純に両者を入れ替えることが出来ない以上、かつリスクとリターンを勘案すれば、いきなり太陽光、いきなり風力発電という話も、ちょっと乱暴かなと思います。あくまで、今回の様に電力ピークの時に節電する分だけ太陽光で補完するとか、災害時に最低限の電力確保できるように太陽光を導入するとか、そういう適材適所な使い方を理解して導入して欲しいですね。いずれにしても、日本の気候は太陽光発電には向いていないと思うし、大体太陽光発電パネルにしても、レアアース等の調達が必要になるわけで、そういう制限から急には更新出来ないだろうし。そういう現実を理解した上で、より効果的に導入してくれるなら良いんですけどね。でも、黒岩氏のキャスター時代の様子を見ていると、ちょっと思い込みで話をするような雰囲気があった氏なぁ。それがちょっと心配。

0 件のコメント:

コメントを投稿