2011年2月13日

エジプトとベルリン

エジプトでの政権交代が達成されて、一時は争乱状態でどうなるかと思ったけれど、何とか大規模な衝突が発生することなく収まりつつあり、遠い国の出来事とはいえホッとしている人も多いのでは。今回のエジプトの様子を見ていて、何となくオーバーラップしてくるのが、東西ドイツ統合の切っ掛けになった「ベルリンの壁崩壊」のシーン。丁度USに出張していた時のことで、CNNのライブ放送を見ながら、あのベルリンの壁の上に大勢の人間が乗って壊している映像は、それまでに受けた学校での歴史の教育で、米ソ冷戦とか東西ドイツ対立なんていうことをすり込まれていた人間にとっては、いつかあるかもしれないけれど多分自分が生きている内には無理だろうな、と思うくらい衝撃的な映像でした。

あの時の東ドイツでは、口コミで東西ベルリンのゲートが解放されたという情報が伝搬して、それが結果的にあの大きな人の波に繋がったわけだけど、今回はFacebookやTwitter、つまりネットの情報伝達が大きな役割を果たしたと言われています。確かに重要なツールとして仕事をしたと思うけれど、やっぱり民衆自身が持っている思いというか気持ちが無ければ大きな運動にはならないわけで、結果的にそういうモメンタムが無いと、何処でも同じような「改革」が生まれるとは思えません。そういう意味では、情報遮断をしている中国に、直ぐにこのうねりが伝搬するとは思わないけれど、これからジワジワと効いてくるボディーブローにはなりそうですね。

ベルリンの壁崩壊は、その後の東ヨーロッパの社会主義体制の崩壊の切っ掛けになったと思うのですが、今回のエジプトやチェニジアの出来事が、アフリカやイスラム社会にどんな影響を及ぼすんでしょうか。20年前のベルリンがその後の世界に及ばした影響以上の事が、今回再び生まれるんでしょうか。それが少しでも平和に繋がるように祈っています。

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