2010年11月5日

変えるか変わるか

最近よく聞く「TPP」という言葉。日本語では「環太平洋戦略的経済連携協定」というらしいんですが、難しい(笑)。要するに、環太平洋地域で相互に関税を無くして自由貿易をしようという約束で、農業を中心とした海外からの安い製品輸入におびえる団体は猛反対しているらしい。農業に関しては、先日こんな事を書いたけれど、このTPPはそこで書いたような日本での農業構造を一気に二分野に収束させてくれるかもしれない。

海外からの安い製品におびえる分野って、基本的に生活消耗品とか必需品ですよね。農業で言えば、米、肉、野菜とか。この中で、野菜なんかは鮮度の問題があるから、特殊なものを除けば国内製品に分があるだろうし。肉に関しては、安い海外の肉類に押されるかもしれないけれど、それって牛肉くらいで、鶏肉と豚肉なんかで値段で凌駕される事って有るのか。鳥だとブロイラーなんかそうかもしれないけれど、味とか肉質とか安全性という「付加価値」分の価格差が作れないならば、そこは企業努力で価格を下げるべきじゃないだろうか。

お米なんかもそうだと思うけれど、大規模化することで価格は今の価格から20~30%はまだ下げることが出来るそうな。となれば、国内的に厳しくても、逆に関税が掛からなくなった地域にはこれまでよりも競争力のある価格で輸出できるわけで、これって凄い武器ですよね。そうでなくても、少子化で人口が減り、さらにそれ以上の勢いで米食が減っているわけだから。お米を使う食材、例えばお煎餅とかお酒なんかも、「国民食」としての米価が大量生産で下がれば、決して困る事じゃないだろうし。もっとも、国内的には古い組織、古い体質、そしてなかなか今から急に切り替えることは難しいだろう高齢零細農家も多いので、そういうところには現在の農家個別保証を充当するして、国内の食糧問題解決も含めて、大きく日本が変われるチャンスのような気がします。

その中でも個人的に凄く魅力的に思うのは、日本の食材が外に出て行けること。日本の魅力として色々ある中で、寿司とかすき焼きにといった日本の料理は海外でブームになっているわけで、その素材も、例えば高級米とか豆腐とか着々と市民権を得てきています。そんな中に、高品質な日本の野菜がそれなりの価格で輸出できれば、多分多くの顧客を獲得できると思うんですよね。さらに言えば、日本の場合鮮度を保持ししたまま輸送できる技術も持ち合わせているし、さらに言えば今ではお荷物の地方空港を輸出拠点としてそれぞれの地域から特産物を輸出してもいいだろうし(それだけの規模を作らないといけないけれど)。

勿論、その為には多くの血を流したり、国内でかなりの変革が必要になると思うけれど、今のままでは単にお金を食いつぶしてどんどん小さくなる市場を食い合うだけなんだから、ここで「変化」することに躊躇してはいけないと思う。元々日本は外圧で押されて、それに反発して大きくなってきた国なんだから、今回はこの「TPP」をバネに成長路線を描いてみてはどうだろうか。少しでも楽をしたくて、自分が望まない方向に変えられるよりは、多少は自分の意地と夢が叶うかもしれない方向に向かって変わっていった方が、結果は同あれ納得できるんじゃないだろうか。アニメや勿体ないだけじゃなくて、今度は「ノーギョー」が世界の合い言葉になるように、ね。

でも40年くらい前には「ノーキョー」が世界的に有名になったんだよなぁ... 恥ずかしい旅行集団として(笑)。

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