2010年6月12日

イカロスの翼

金星探査衛星「あかつき」と一緒に打ち上げられた、太陽ヨット「イカロス」。無事に太陽帆の展開も完了して、いよいよ太陽光を受けて金星への旅へ。「太陽ヨット」なんてSFの世界だけの話だと思ってましたが、とうとう現実になるんですね。ちょっと疑問だったのが、「どうやって進路変更するのか」と言うこと。海上のヨットならば、帆の向きを変えて風を受ける方向を変えれば、向かい風の中でもジグザグ走行で進むことも可能ですけど、イカロスの場合単純に帆が広がっているだけなので、そういうことは出来ないはず。太陽光を受けて前進するだけなら単純だけど、それだけでは太陽系から飛び出すだけで実用的ではないし。

で、JAXAのサイトを見ていて理解しました。帆面に液晶部分があって、ここを操作して反射量を変更して方向を調節するんですね。アイデアと言えばアイデアだけど、もしその液晶が故障したらどうするんだろう。ある程度冗長度は高くして、一部が動作不良になっても補完できるようにはなっているんだろうけど、宇宙航行中に部品交換するとか出来ないし。かといって、機械的な部分を組み込んでしまうと、まずはその部分の信頼度が低くなるだろうし、さらにそれを駆動するために大きなバッテリーが必要になるだろうし、ちょっと推進力が小さな宇宙ヨットには向かないでしょうしね。

イカロスの帆のCGを見ていて思ったけれど、こういう薄膜に色々回路を構築するのは、日本の得意な半導体製造技術にも繋がっていそうなので、さらにアイデアが出てくるかも。個人的には日本も有人宇宙探査を、とは思うけれど、「かぐや」「はやぶさ」「イカロス」と、日本の得意技術で無人探査を成功させているので、この方向で日本独自の宇宙探査技術の発展というのもいいかも。でも、一度で良いから宇宙空間にでてみたいですね、スタートレック世代としては...

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