2010年2月27日

ミーティングスキル

ここ数日のトヨタ・豊田社長の米国での公聴会やインタビューとか見ていると、どうも自分が仕事で上位マネージャーにミーティングでいじめられる光景ばかりが浮かんできます(笑)。"Yes or No?"と二者択一を求めるのはアメリカ人の常だけど、それに対して日本人はどうしても言い訳(Excuse)が先行するので、イライラ感が相手に残ってしまう。あれって、正直言い方の問題だと思います。Yesと応えようがNoと応えようが、結果は同じというと語弊があるかも知れないけれど、Yesと応えて責任があると言ってしまえば骨の髄まで賠償責任を追及されるだろうし、Noと言って責任が無いと言えばさらにバッシングが高まるだろうし。ああいうときには、明確に「これこれはYes、でもこちらはNo」と明瞭に自分のポジションを表明することが大切だと思います。そういう意味で、リコールに関わる責任はトヨタにある、原因と言われている電子制御装置の問題は現状では見つかっていない、というのは当日の言い方はちょっと回りくどかったかも知れないけれど、トヨタとして今現在言える最大限の内容じゃなかったでしょうか。

もう一つ思ったのは、トヨタ側の通訳の方がかなり詳しい人だったんじゃないかと言うこと。普通同時通訳などを聞いていると、タイムラグとともに、日本語と英語の語順の違いなどから生まれる表現の不自然さみたいな物がちょっと気になるわけですが、まるで事前に用意されていた台本を翻訳しているような、かなり自然な感じに聞こえましたね。豊田社長は英語も堪能という話だけれど、記録に残る場所での発言だけに、正確な表現をするために日本語を使うのは正しいと思うし、もう一つ通訳が入ることで一呼吸余裕が生まれるわけですよね。あれは、戦術として利用していたとすると結構正解だったかも。仕事で、エンジニア同士がちょっと話をするくらいなら下手な英語で身振り手振りで会話するのも良いけれど、ビジネスのしかもエグゼクティブが社運を賭けて発言するような場所では、それはリスク以外の何者でもないわけだし。

今回トヨタとしてちょっと余裕があるというか有利かなと思うのは、問題をトヨタの中だけで隠していたわけではなく、ちゃんと米国の当局にも伝わって、その指導の下に対策してきたことですよね。そりゃぁ、意図的な問題原因の隠蔽とかこれから発見されればアウトですが、ちゃんと情報提供して公式の判断が出された結果であれば、その責任はトヨタだけでなく米国当局にも及ぶわけですからね。ロビー活動云々と言われているけれど、それが表だったものであれば特に責められることもないわけですし。それで、賄賂とか貰っていれば話は別ですけど。何れにしても、規模も内容の深さも異なるけれど、アメリカ人なんかと仕事をするとああいった場面には何度も遭遇するし、そういう経験を積み重ねてやっと対等にアメリカで仕事が出来るようになると言うのが自分の経験からの感想ですね。

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